Microsoftが7月、20,000行ものドライバコードをLinuxカーネルに組み込めるようGNU General Public License(GPL)の下で公開すると大々的に発表してからだいぶ経つが、あるLinux開発者は、Microsoftはコミュニティが求めている更新や修正を行っていないと感じているようだ。
NovellのSUSE Labs勤務でLinux Driver Projectを率いるGreg Kroah-Hartman氏は9月9日、Linuxカーネル2.6.32に組み込むために集めたドライバの状況をアップデートした。Microsoftは7月後半にGPL計画を発表したが、Kroah-Hartman氏は、その後のMicrosoftの協力について、厳しいコメントを記している。
Kroah-Hartman氏は複数のドライバコードについて必要な作業が行われていないと批判しているが、その中でもMicrosoftを取り上げ、以下のようにコメントしている。
hv(Microsoft Hyper-V)ドライバ。このコードを2回目のカーネルコーディングスタイル(この作業はラム酒ボトル1本分の価値がある)に入れるためには、200以上のパッチによる大規模なクリーンアップ作業が必要だった。残念なことに、Microsoftの開発者はどこかに行ってしまったようで、私の電子メールに誰も答えてくれなかった。このドライバへの支援を示さないのであれば、カーネル2.6.33から削除することになるだろう。残念だが。
(Kroah-Hartman氏は、MicrosoftがこのドライバコードをGPLの下で公開する動機について疑いを示した人物でもある。Kroah-Hartman氏はここで、Microsoftはオープンソースとクローズドソースのコードを混ぜており、これはGPL侵害だ、とする、あるオープンソースコミュニティメンバーの主張を支持していた。オープンソースコミュニティの中には、これは侵害とする人もいれば、侵害ではないとする人もおり、意見が分かれている。)
Microsoftの広報担当に、MicrosoftはHyper-VコードをGPLで公開することを考え直しているのかと聞いてみた。すると、この人物は「それはない」と述べ、Hyper-Vドライバに責任を持つ主要人物はこの2週間、欧州に出張して「複数のOSS(オープンソースソフトウェア)コンサルタントや顧客と会っていた」と説明した。
Kroah-Hartman氏がドライバステータスを更新するだろうか。更新するなら、いつだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ