MicrosoftのチーフソフトウェアアーキテクトRay Ozzie氏が2005年、(有名な「The Internet Services Disruption」メモにて)Microsoftの戦略について提案を行った際、Ozzie氏は広告付きの無料ソフトウェアとサービスを提供するという考えを大きく支持した。それ以来、Microsoftはさまざまな分野で広告付き製品を出してきた。間もなく提供するコンシューマー版「Office Web Apps」や「Office Starter」もその例となる。
だがWindowsはどうだろうか?Microsoftが今後、クライアント向けWindowsで広告付きの無料のエディションを提供する可能性はあるだろうか?2005年、Microsoftの研究者はMicrosoftがどうやってWindowsを広告付き製品にするのか、またその理由について記したThinkWeekの報告書を作成した。だが、この白書に書かれていることが現実のものになるとはまったく想像しなかった・・・つい先日までは。
3月31日、Microsoft Kitchenブログのブロガー、Stephen Chapman氏が、ソーシャルネットワーキングサービスLinkedInに登録しているMicrosoftの従業員のプロフィール情報を紹介した。そのプロフィール中、開発コード名「Madison」という「Windows内広告向けプロトタイプ」プロジェクトが言及されているというのだ。
(アップデート:数人が指摘してくれたように、Madisonという開発コード名は他でも使われている。その中には、「SQL Server 2008 R2 Parallel Data Warehouse」といわれているデータウェアハウスアプライアンスもある)。
このプロフィール情報に基づくと、リードプログラムマネージャーのKrista Johnson氏は2005年から2008年の間、2つのインキュベーションプロジェクトを手がけた人物のようだ。1つはMadisonで、もう1つは100ドル以下のWindows CEベースのPCプロトタイプだ(後者は、ULCPC(Ultra-Low-Cost PC)や「Origami」端末のようなものと思われる)。
これらのプロトタイプがその後どうなったのかについては、言及がない。だがこの情報を得た後、Microsoftが今後数カ月/数年のうちに無料の広告付きWindowsをリリースする可能性がなきにしもあらずではないかとわたしは思いはじめている。Office Starterのように、新しいPCにプリロードされているWindowsの簡易版で、フル機能が利用できる有料版にアップグレードできる(Anytime Upgradeモデルを利用して)という形をとるかもしれない。
あるいは、Madisonなどの新規プロジェクトは、「Windows Starter Edition」のまったく新しい代替案を目指すのだろうか?もしそうならば、Microsoftがどうやって帳尻を合わせるのかが気になるところだ。現在、ネットブックにプリロードされているStarter Editionで、MicrosoftはOEM各社に30ドル以上を課していると予想されている。
広告付きのWindowsリリースについて、Microsoftに質問しているところだ。たいした答えは返ってこないと予想しているが、何かあればここで報告したい。
アップデート(4月1日付け):Microsoftの代表者より回答があった。「ノーコメント」とのことだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ