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新着記事集:「負荷分散」

R・Ozzieメモ:「インターネットサービスの破壊力」

文:CNET News.com Staff
翻訳校正:坂和敏(編集部)

2006-01-04 16:05

 Microsoftは先ごろ、「Windows Live」および「Office Live」という2つの新しいオンラインサービスを発表した。しかし同社は、広告を利用して製品を無料で提供している競合企業に追いつくためには、さらなる努力が必要であることを十分に認識している。10月末、同社のサービス戦略を率いるCTO(最高技術責任者)のRay Ozzieは、Microsoftが直面している課題をまとめたメモを送信した。

差出人:Ray Ozzie
送信日時:2005年10月28日(金)
宛先:幹部社員および直属の部下
件名:インターネットサービスの破壊力

 まもなく、われわれは創立以来最大の製品サイクルに突入する。皆さんも、心躍る毎日を過ごしていることと思う。これから1週間のうちに、「Visual Studio」「SQL Server」「BizTalk Server」の新バージョンが発売され、月末には「Xbox 360」が出荷される。来年は「Windows Vista」と「Office 12」という2つの主力製品が、時を前後して発売される予定だ。ユーザー、パートナー、そしてこれらの製品に全身全霊を注いできた従業員にとっては、素晴らしい時が訪れることになるだろう。

 しかし折しも業界は混乱と激動の時期を迎えている。ただし、こうした大きな変化を経験するのは今回が初めてではない。われわれはほぼ5年ごとに、中核戦略と方向性の見直しを迫られてきた。このような変化を避けて通ることはできないが、それはコンピューティング技術とコミュニケーション技術が劇的かつ継続的に進化しており、それに伴って、人々が技術を利用し、適用する方法も変わってきているからであり、また新しい手法や発想を持つ企業も続々と登場しているからである。

 1990年には、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)のメリットに疑問を持つ人もいた。Appleなどの企業は、GUIがもたらすさまざまな利益を市場に伝えようと懸命に努力したが、「Lotus 1-2-3」「WordPerfect」といったGUIを持たないアプリケーションの勢いをそぐことはできなかった。しかし、MicrosoftはGUIには市場を変える力があることを見抜き、全社を挙げて、この夢の実現に取り組んだ。GUIはコンピューティングを飛躍的に拡大し、民主化するものとなる--そう信じて、われわれはアプリケーション、プラットフォーム、そしてツール類の開発に投資した。

 5年後の1995年、われわれは会社が掲げるビジョンを再検討し、当時生まれたばかりのウェブが新しい重力の中心となっていくことに気づいた。われわれはウェブがもたらす課題とチャンスを明らかにした後、全社の方向を転換し、インターネットに照準を合わせた。新しい目標は「すべてが接続された世界」を実現することだった。その施策として、ウェブブラウザ、サーバ、開発ツール、そして後にウェブポータルとなるMSNのサービスなど、あらゆる製品にインターネット標準を取り入れた。この時代にわれわれが開発した多くのものは、今でもインターネットの成長に貢献している。DHTMLやXMLHTTPといった「AJAX」を構成する技術は、1998年に生まれ、OWA(Outlook Web Access)などの製品に取り入れられた。

 ドットコムバブル末期の2000年、われわれはふたたび戦略を見直し、方向性を修正した。われわれはインターネットとそれがソフトウェアに及ぼす影響を慎重に分析し、インターネットは閲覧にとどまるものではなく、広範にプログラマビリティを確保する必要があるという結論に至った。われわれの最も基本的なプラットフォーム--つまり、開発者がソフトウェアを開発する際に用いるツールやサービスは、インターネット時代にふさわしいセキュリティと相互運用性を備えているとはいえなかった。この認識に基づいて、われわれは「.NET」を立ち上げた。.NETはマネージドコード、XMLフォーマット、ウェブサービスプログラミングモデルなどを基盤とする新世代の革新的なプラットフォームツールだった。XMLネイティブでの開発は、当時としては危険な賭けだったが、この賭けは大いに報われ、.NETは今や世界で最も人気のある開発環境となっている。

 そして2005年、状況はふたたび変化した。今度の主役はサービスだ。コンピューティング技術とコミュニケーション技術が劇的かつ継続的に改善された結果、サービスベースのモデルが実現可能になった。ブロードバンドとワイヤレスネットワークの普及は対話の形を変え、人々はサービスのシンプルさと「簡単に使える(just works)」サービス対応ソフトウェアを求めるようになった。一方、企業はどのようなサービスを利用すれば随時、またはサブスクリプション方式で、経済的にインフラコストを削減し、ソリューションを導入できるかと考えるようになっている。

 しかし、われわれにとって最も挑戦しがいがあり、また最も期待できる変化は、広告を収入源とするサービスとソフトウェアが登場したことだ。この新しいビジネスモデルは、われわれやその他の企業が革新的な製品を開発し、提供し、収益化する方法に抜本的な影響を及ぼす可能性がある。最終的に、どの市場の、どのソフトウェアがこのモデルを採用することになるのかはまだ分からない。しかし、このモデルには莫大な利益をもたらす可能性がある。

 われわれはこれからも定期的にわれわれを取り巻く状況、われわれの強みと弱み、そして業界リーダーとしての責任を見直し、必要な対策を講じていく。それに失敗すれば、現在の事業がリスクにさらされることは間違いない。われわれは迅速に、そして敢然と行動しなければならない。

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