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R・Ozzieメモ:「インターネットサービスの破壊力」 - (page 3)

文:CNET News.com Staff
翻訳校正:坂和敏(編集部)

2006-01-04 16:05

3つの信条

 現在の状況は、3つの基本的な信条によって根本的に変わりつつある。これらの信条はいずれも、何らかの形でサービスと関連している。それがわれわれの製品やサービスにどう関わってくるのかを理解することは非常に重要だ。

1.広告を収益源とする経済モデルの力

 ソフトウェアとサービスの開発/流通コストを、直接的または間接的にまかなう強力な手段として、オンライン広告が登場した。従来のライセンスモデルよりも、広告モデルのほうが高い収益をあげる場合もある。広告モデルはまだ初期の段階にあるので、最終的にどの市場の、どのカテゴリのハードウェア、ソフトウェア、またはサービスが、広告モデルを利用して資金調達を行うのかはまだ分からない。また、世界のオンライン広告収入のうち、どのくらいの部分が大手のソフトウェア/サービスプロバイダーに流れ、どの程度が中小企業や個人ユーザーに流れるのか、あるいは流れるべきなのかもまだ不明だ。

2.新しい流通/導入モデルの有効性の高さ

 大企業を対象とした従来のソフトウェア販売手法とほぼ平行する形で、インターネット上ではソフトウェアが「草の根」的に普及するパターンが登場した。現代の消費者はブログ、検索キーワード広告、オンライン広告、口コミなど、複数のルートを通して製品を知る。こうして発見された製品は、消費者が自由に調べ、ダウンロードし、試用することができると考えられている。消費者だけではない。現在では企業も、インターネット上で製品の詳細を調べ、その製品の価値を理解している事業部が実際に使ってみてから、購入を決定するようになっている。

 ウェブをチャネルとして利用したいと考えている開発者の間では、試用版、広告付きバージョン、無料の機能限定版、サブスクリプション方式、オンラインでのライセンス認証、デジタルライセンス管理、自動更新といった言葉が定着しつつある。「発見して、知って、試して、買って、人に勧める」というサイクルは、すべての製品に適用される。このうちの特定の段階だけを無料にしたり、広告を付けたり、サブスクリプション方式を導入したりすることも可能だ。草の根的に製品を普及させるためには、製品の設計にエンドツーエンドの視点を盛り込まなければならない。製品はユーザーが試したときに簡単に理解できるもの、設定や管理者による作業をほとんど、あるいは完全に省いても、すぐに利用できるものでなければならない。

 しかし、設計に配慮するだけでは、製品を草の根的に普及させることはできない。今日のウェブは基本的にセルフサービスの環境なので、ウェブサイトや製品の「ランディングページ(検索エンジンなどから誘導されるページ)」には、高度なクローズドループの測定/フィードバックシステムを組み込むことが必須となっている。新興企業ですら、クリック型広告とこうしたテクニックを併用している。そうすることで、製品やサービスが発見されやすくなるだけでなく、ユーザーの調査と学習を支援し、ダウンロード、試用、購入を促進し、その製品またはサービスを主体的に利用し、他者に推薦するために、最も効果的なデザインを選択することができるようになる。このようなシステムを使えば、個人、ワークグループ、あるいは企業に製品をアップセル/クロスセルする機会を捉え、営業部門やパートナーのリード・ジェネレーション(購買のきっかけ作り)を支援することができる。

3.「簡単に使える」こと--強力で統合されたユーザーエクスペリエンスへの需要

 PCは新しいフォームファクタとして、これまでにない役割を果たすようになっている。今日では多くのユーザーが複数のPCを利用している。PCは職場にも、自宅にもあり、ノートPCやタブレットPCも登場した。今やPCはリビングルームにも進出している。携帯電話はありふれたものとなり、市場では無数の携帯端末が販売されている。セットトップボックス、PVR、ゲーム機は、テレビの観られ方とその内容を変えつつある。電話、音楽、音声コミュニケーションは急速にデジタル化し、ソフトウェアが大きな役割を果たすようになっている。自動車はコンピュータ化され、ネットワークと結びつきつつある。これらの技術が生み出すデジタルライフスタイルは、人々が学んだり、ゲームで遊んだり、テレビを観たり、友人や家族と語らったり、音楽を聴いたり、思い出を共有したりする方法を変えつつある。

 しかし、技術は対価を伴う。個々の技術はどれほど素晴らしくても、その数があまりにも多ければ、消費者は圧倒されてしまうかもしれない。消費者は高度にカスタマイズされ、エンドツーエンドのエクスペリエンスを提供する製品やサービスを選ぶようになっている。製品はユーザーにシームレスなエクスペリエンスをもたらすもの、複数の「使える」技術を同時に利用できるもの、ユーザーが自分の利益のために主体的に利用できるものでなければならない。これはインターネットベースのサービス、ソフトウェア、時にはハードウェアを意図的に融合させることで、ユーザーに有意義なエクスペリエンスとソリューションを提供し、こうした全体的なアプローチなしでは実現できないようなシームレスな設計と利用を実現することでもある。

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