わたしは2年以上前から、Microsoftのコーポレートバイスプレジデント、Roz Ho氏のあるプロジェクトについて書いてきたがその間、Ho氏と直接話をすることはできなかった。だが米国時間4月12日、Microsoftが“Pink”フォンこと「KIN」を披露したことを受け、やっと電話でHo氏と話をすることができた。
Ho氏はMicrosoftのMac事業部を率いた後、2007年にPMX(プレミアムモバイルサービス)のトップとなった人物だ。Ho氏はまず、KINはMicrosoftフォンではないという点を確認した。12日に発表した2機種ともMicrosoftブランドではない、とHo氏は念を押す。KINはシャープ製の携帯電話であり、シャープはMicrosoftがモバイルで提携関係にあるOEMの1社に過ぎないという。
「KINはWindows Phoneの新機種の1つだ」とHo氏。
KINの製造にあたって、他のOEMも検討したのかと聞いてみたところ、Ho氏は「Microsoftは多数のパートナー企業と話をしている」と答えた(この回答は、「ノー」を丁寧に言い換えたに過ぎないとわたしは理解している)。また、今後他のOEMが次のKINを開発・提供する計画については、ノーコメントとのことだった。
まとめ:Microsoftブランドではないとしても(Windows Phone搭載機の1機種であり)、“Microsoft”の製品という観点でみると、KINはPCよりも「Xbox」や「Zune」に近い。
KINをローンチしたにも関わらず、KINについてMicrosoftは多くの部分でコメントを避けている。デバイスの価格も明らかにしていないし、KINで利用できるクラウドサービスの価格、Xboxや「Xbox Live」サービスと接続する可能性があるのか、あるとすればどのような形をとるのか、15〜25歳をターゲットにしつつどのように収益を上げるのか、なども不明だ(Microsoftの幹部が発表時に言及していた、無制限の写真/動画ストレージサービスを有料提供するのではないか。そのほかのKINサービスも有料で提供することが考えられるが、現時点では詳細情報は公開されていない)。
Ho氏は、KINは「Windows Phone 7」搭載機と同様、PCと接続し、「Windows Live」ストア上に構築したさまざまなクラウドサービスを利用できることに触れ、「2つの画面と1つのクラウド戦略だ」と笑った。
KIN開発チームはMicrosoftが2008年に買収したDangerチームから多くのことを学んだ、とHo氏はいう。KINはJavaベースのDangerコードは一切利用していないが、Dangerチームのサービスに対する考え方や全体の“エクスペリエンス”アプローチを取り入れたとのことだ。
Ho氏は、Danger買収前からMicrosoftが描いていた「われわれのビジョンを固守した」と語る。そして、最初から「オンラインのクラウドサービスを携帯電話と一体化させた」と続けた(どうりで、わたしが最初にPink情報を耳にしたとき、“コンシューマー向けのモバイルサービスセット”と聞かされたわけだ。Pinkが独自ブランドの携帯電話プロジェクトとわかったのは、後になってからだった)。
KIN/PMXチームは今後、得た知識をWindows Phoneチーム、それにWindows Phone 7チームと共有していきたいし、逆もあるだろう、とHo氏は語る。
Windows Phone 7とKINとの連携については、「今後、さらに拡大していく」とKIN氏。だが、「KIN Studio」のようなサービスがWindows Phone 7にも登場するのかという質問については、回答を控えた。
KINは「白紙の状態からスタートした」とHo氏。「われわれはまず、ソーシャル機能を特徴とする携帯電話を開発すると決め、そのフォーカスを維持した」とのことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ