リムーバブルメディアで苦労したくないという理由でLinuxを敬遠しているのであれば、少し考えを変えた方がよいかもしれない。自動化のお陰で--そしてここで紹介するティップスを使うことでさらに--リムーバブルメディアはユーザーフレンドリーなものになるはずだ。
多くのLinux初心者にとって、リムーバブルメディアは頭痛の種であった。Windowsの場合、何も考えることなくCDを挿入し、使い、取り出すだけで済む。しかしLinuxの場合、いつもそのように簡単に済むというわけではなかったのだ。実際のところ、Linuxにおけるリムーバブルメディアは、まったく異なった哲学に則っているのである。
UNIXが生み出された頃、リムーバブルメディアはPC自体と同様にマルチユーザー向けのものとして考えられていた。このため、何らかのメディア(当時はたいていの場合フロッピーディスクであった)を挿入した場合、いずれかのマウントポイント(/mnt/floppy等)にマウントしなければならず、そうしなければシステムの全ユーザーからアクセスできるようにはならなかったのだ。そして、リムーバブルメディアの同期は「要求されたタイミング」で行われるようにもなっていなかった。たいていの場合、メディアがアンマウントされる時までデータはキャッシュされる。そしてメディアのアンマウント時に、キャッシュ上のデータが出力され、メディアを取り出すことができるようになるわけだ。
とは言うものの、Linuxも今日のユーザーニーズを汲み取って、多くのケースにおいて、メディアのマウント/アンマウントを自動化している。しかし、すべての状況でそうなっているというわけではない。以下は、リムーバブルメディアを用いたあなたのLinuxライフをより良いものにするためのティップスである。
#1:適切なデスクトップを使用する
適切なデスクトップを使用することによってあなたの仕事は簡単になるはずだ。KDEやGNOMEの最新版はどちらもリムーバブルメディアの挿入をチェックするようになっている。そしてCDが挿入された場合、そのメディアを使ってやりたいことを尋ねるウィンドウが表示されるのだ。また、特定タイプのメディアが挿入された際のデフォルト動作を設定しておくこともできる。こういったデスクトップには、マウスのクリックだけでメディアをマウント/アンマウントすることを可能にするアプレットをパネル(あるいはデスクトップ)内に配置しておくこともできる。これで「mount /dev/cdrom /media/cdrom」といったコマンドを入力する必要を無くすことができるわけだ。
#2:/etc/fstabを活用する
私はたいていの場合、古風なデスクトップ(例えばEnlightenment DR16)に固執しているため、しばしばリムーバブルメディアをマウントする必要に迫られている。こういった場合、例えばMP3プレイヤーをマウントする際に、「mount /dev/sda1 /media/mp3」といったコマンドをいちいち実行するのではなく、デバイスを適切なマウントポイントに位置付けるとともに、そのマウントポイントをユーザーから読み書きできるようにするための記述を/etc/fstabファイルに追加しておくのがよいだろう。このfstabのエントリは以下のようになる。
/dev/sda1 /media/ipod vfat users,exec,noauto,managed 0 0
これでデバイスのマウントが必要となった際に、「mount /media/ipod」というコマンドを実行するだけで済むようになる。あとはデバイスを取り外す際にアンマウントするということを憶えておくだけになるわけだ。