あなたの意見に上司が耳を貸してくれないと感じることがあるはずだ。それにはちゃんとした理由があるのかもしれない。そしてそれは、あなた自身に問題があるわけではないのかもしれない。本記事では、上司に取り合ってもらえない時に考えてみるべき理由を10個紹介する。
ほとんどのリーダーやマネージャー、起業家といった、一般的にやり手と呼ばれる人々にはある種の共通点がある。それは、ほとんどの場合において自らの考えが正しいと信じていることだ。彼らがそう信じる理由について、時間をかけて解き明かすこともできるものの、ここではそれを前提として話を進めていくことにしたい。
ともかく、筆者がマネージャーになって間もない頃には、上司が耳を貸してくれないことが何度もあった。信じられるだろうか?はっきり言ってしまおう。上司に取り合ってもらえない、あるいはさらに悪いことに役員や最高経営責任者(CEO)に冷たくあしらわれるというのは、本当にやる気を削がれる経験であった。こういったことは、自らのアイデアや仕事、会社の成功について真剣に考えており、人並み以上の実力を発揮している(筆者やあなたのような)人間にとって、特にがっくりくる話なのではないだろうか。
筆者がこのような経験をしたのは遠い昔のことであり、逆に上司の立場に立つようになってからも長い年月が経っている。その結果、筆者は独自の観点を持つに至った。そこで本記事において、上司がなぜあなたやあなたの意見に耳を貸さないことがあるのか、また耳を貸すべきではないと判断する理由、あるいは耳を貸すべきだと判断しているものの、あえてそうしない理由について説明することを思い立ったというわけだ。では、自らの経験に基づき、上司があなたの意見に耳を貸さないというシナリオを10個紹介することにしよう。
#1:優先順位が低い
あなたの意見自体は優れているものの、優先順位としては高くないのである。幹部やマネージャーは皆、非常に重要なものごとをいくつか抱えているだけでなく、それなりに重要なものごとをさらに数多く抱えている。このため、それ以外のものごとはほぼ確実に無視されることになるわけだ。
#2:リーダーとしての資質に欠けている
正直なところ、上級マネージャーのうち、中級マネージャーの意見に耳を傾けるために時間を割き、自らの観点を彼らに伝えることの重要性を理解している者は数少ない。残念だが、本当のことである。
#3:大局的な観点に立ったうえでの意見となっていない
あなたには重要に思えることでも、上司(またはその上司)にとってそれほど重要でない、あるいは優れたアイデアではないということもある。立場が上になるほど、大局を見据えることが重要となるわけである。
#4:意見が馬鹿げている
あなたの意見があまりにも浅い認識によるものであったり、馬鹿げたものであれば、上司はそのことをどう説明してよいのか分からないため、紳士的な態度でうなずき、あなたがその場から離れていくのを待つことになる。
#5:タイミングが悪い
上司がとても困難な状況に直面しているという場合もある。例えば、財務上の問題や、合併/買収、商品あるいは顧客に関する大きな問題を抱えている時だ。場合によっては、何か個人的な問題を抱えている時ということもあるかもしれない。こういった場合、上司は集中できずにいるか、あなたの意見に耳を貸してはいられないという状態にあるわけだ。