リーダーとしての成功は、チームメンバーの成功をお膳立てすることによってのみ可能となる。そして、あなたのチームがナレッジワーカーとITマネージャーから構成されている場合、特殊なリーダーシップ--常に彼らの挑戦意欲をかき立て、自らで問題を解決できるように仕向けるようなリーダーシップが必要となる。本記事では、チームのパフォーマンスを最大限に高めたいというIT部門のリーダーのためのティップスを紹介する。
#1:すべての答えを提示しない
あなたはリーダーである。しかし、リーダーであるからといって、優れたアイデアをすべて自らで考え出す必要があるわけではない。部下があなたの意見を尋ねてからでないと決断を下したがらないという場合、自らの仕事の進め方を見直すべきだろう。
部下がある状況を報告した後、それにどう対処するべきかを尋ねてきた場合、逆に「君はどう思う?」と問い返してみよう。部下は驚くかもしれないが、その後も同じように問い返すことを続けた場合、あなたのところに来る前に考え、問題についての議論や提案の準備を整えておくようになるはずだ。
そこまでいけば、しめたものである。というのもたいていの場合、彼らはあなたよりも顧客に近い位置におり、業務の詳細にも詳しいはずだからだ。あなたには彼らの意見が必要なのである。また、一部の決断は彼ら自身が行う必要もある。
#2:部下の興味と仕事を結び付ける
適切な人材を適切な仕事に配置する。各チームメンバーの有している能力をすべて洗い出したうえで、チームの成功に結び付くのであれば、配置転換を行うのが良いだろう。ある仕事を長期間続け、手慣れているという理由だけで、その仕事を続けさせてはいけない--当人の能力を活かせる仕事が他にあるという場合には、配置転換を行うべきなのだ。
また、部下がどういったことに興味を持っているかを探り出し、そういった興味を仕事やプロジェクトと結び付けることで、彼らがより熱心に仕事に取り組めるようにもすべきである。そのためには、あまり経験のない仕事に就かせることになるかもしれない。しかし、それまでの彼らの仕事ぶりから判断して、うまくやれそうだと思うのであれば、たいていの場合はリスクを冒す価値があるだろう。興味によって、自発的な学習や成長が促されるためだ。
#3:人前で非難しない
どのような組織も失敗とは無縁ではない。ものごとがあなたの期待通りの結果にならなかった場合、事後分析を行うことで、何が悪かったのかを解明し、そこから学んでほしい。もしも誰かがとんでもない間違いを犯していたことに気付いた場合、必要に応じてその人物と1対1で話をするようにすべきである。そして、今後同様の問題が発生した際にはどうすればよいのかを説明しておくべきである。
とにかく、会議であれ、チームメンバー向けの電子メールであれ、人前で個人を非難してはいけない--直接的にでも、間接的にでもだ。そういった非難を行えば、チームメンバーは失敗を恐れるあまり、将来発生し得る問題を避けるために必要となる、あるいはイノベーションを推進するうえで必要となる、積極的かつ創造的な作業を行わないようになるだろう。