実のある議論のために「Q&A力」をつける10の方法

富永恭子(ロビンソン)

2010-09-22 15:00

 効率良く正しい合意を得るための会議が、逆に仕事を滞らせるボトルネックになることが多くある。その原因には、惰性的に繰り返される的を射ない「質疑応答」があるのではないだろうか。今回は、正しくかつ素早く合意をし、決断を打ち出すために必要となる「正しく問い、正しく答えるチカラ」つまり質疑応答力を高めるための方法について考えてみた。

#1:疑問に思ったことは「逃げずに質す」

 発展的な議論のためには、疑問に思ったら質問することから逃げてはいけない。つまらない質問だと思われて恥をかきたくないからとか、面倒くさいからとか、会議が伸びるのがいやだとか、そんな理由で質問から逃げているのだとしたら、建設的な議論は成り立たない。むしろ、足を引っ張ることになり、会議の場を共有するメンバーとしては「怠慢」のそしりを免れない。

 時々、「質問が思いつかない」という人がいる。しかし、納得したわけでもないのに、本当に何も疑問を感じないのだとしたら、むしろ、真面目に話を聞いていたのかどうかが疑わしい。そして、最悪なのは「興味がない」ことだ。少なくとも、会議やミーティングの場に臨む際には、興味を持ってそこでの議論に参加できる程度の準備はしておくべきだろう。

#2:質問には「逃げずに答える」

 発展的な議論のためには、質問に対して「逃げずに答える」ことが大事だ。逃げの手法はさまざまだ。質問者に対して質問で返す「ブーメランタイプ」、他の質問者に答えてもらう「代返タイプ」、さらに「後回しタイプ」の場合、応答はナシのつぶてになってしまうことがほとんどだ。

 Q&Aの本質は「逃げないこと」だ。中には、「基本的に逃げる」ことが習慣になっている人もいるが、多くの人は、自分でも気がつかないまま、無意識に逃げの姿勢を取ってしまっている。つまり、「Q&A力を高める」ということは、自分自身を「逃げない体質」に訓練することでもある。さまざまな状況で「逃げずに頑張る」ことを繰り返しているうちに、自然と逃げない体質に自分を変えることができるはずだ。

#3:ひねった質問で「相手を悩ませない」

 質疑応答は、点数稼ぎでもなければ、勝ち負けや正誤を決めるためのディベートでもない。質問者は、意図があるならはっきりとそれを示すべきだ。質問の意図も伝えず、話の本筋から逸れた議論を続けることは、あまりにも無為だ。

 ときどき会議の席で、それまでの議論の流れから明らかに外れた質問をする人を見かける。本人は自分の存在を示したいのだろうが、まわりは大迷惑だ。答える側もそれに対して突っ込みもせず、ご丁寧に答えたりする。それが何度も繰り返されるうちに、話し合いは本来のゴールから逸れて、目的を達せないまま終わることになる。

#4:ズレた答えで「相手を煙に巻かない」

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