正論なのに却下、という事態を避ける--効果的に意見を主張するための12のアドバイス

文:Ilya Bogorad (Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2010-05-11 07:00

 IT関係のマネジメントを仕事にしているのであれば、コミュニケーションスキルの向上に時間と労力をかけるべきだろう。

 ほとんどの企業幹部に言わせると、ITリーダー(たとえ上級のITリーダーであったとしても)の多くには、自らのビジネス戦略を一般的な言葉で語る能力が不足しているという。

 IT関係の話題には技術的な専門用語が星の数ほど出てくるため、聞き手の眠気を誘ってしまうという傾向がある。このため、どこからも反論が出てこず、合意が形成されたかのように見える場合がある。しかし、反論が出てこないのは、合意しているからではなく、不明な点を尋ねることに二の足を踏んでいるという場合もある。他の人々の前で不明な点を尋ねるという行為は、多くの人々にとって無知を認める行為と同じであるため(「他の人々は皆、分かっているようだ・・・。もしもここで質問したら、無能な人間だと思われてしまう」)、自らに自信を持っている人でなければなかなかできないのである。

 このため、ITリーダーの目から見た場合、会議で好意的に受け入れられたはずの提案が、そのまま立ち消えになることもあるわけだ。こういったことで彼らの自尊心が傷付けられるというだけの場合もあるものの、この業界で働いている人であれば、IT関連の助言が無視されたために重大、かつ多大な出費を伴う失敗が引き起こされたという事例を挙げることができるはずだ。

 筆者は以前、同じテーマで記事を執筆したことがあり(英文記事はここ)、その際にはこういった失敗を招きがちな3つの原因について解説した。今回の記事ではそれをさらに掘り下げ、言いたいことを相手にしっかりと伝えられるようにするためのアドバイスとして、ほとんどの人にとって有用なものを紹介している。以下のリストは完全なものではなく、決定的な指針となるわけでもないものの、時間をかけて読む価値のあるアイデアが散りばめられているはずだ。筆者はこれらのアドバイスを講演や研修で何度も紹介してきているが、まとめて紹介するのは本記事が初めてである。

 以下が、そのアドバイスである。

  1. 議論で大事なのはあなたや相手ではなく、縄張りでもなく、お互いの優劣でもない。正しい決定を下すことである。自らが間違っているかもしれないという事実を受け入れ、相手に敬意を払うべきである。
  2. どんな主張にも2つの構成要素がある。つまり見解と、それを裏付ける一連の根拠である。これら2つは必ず分け、明確にしておくようにすべきである。例えば「私はAというソリューションを支持します。その理由は次のようになります・・・」といった言い方をするわけだ。その一方で、相手の主張からこういった2つの構成要素を明確に切り出すようにもすべきである。それが難しい場合には、相手に対して明確にするよう求める必要がある。
  3. 理解できない議論に加わってはいけない。まずは説明を求めるべきである。

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