Microsoftは米国時間9月30日、サンフランシスコで開催したプレス向けイベントで次期「Windows」の名称を発表し、簡単なデモを披露した。「Windows 8」から「Windows 10」に数字が飛んだことで、Microsoftがこの製品に組み込んでいたあらゆる視覚的デザインや開発上の変更への関心は、あっけなく薄れてしまった。
表面上、これは賢いマーケティングのように見える。Windows 8というブランドは過去2年間、Microsoftの大胆だがなじみのないデザイン言語と、機能についての決定から生じた論議にとらわれてきた。そう考えると、数字をまるまる1つ飛ばすことで、関連性を断ち切るのはいい考えである。
その他の説としては、Windowsはメジャーなコンシューマー向けリリースが10回行われているので、今回はその進歩を祝うものだと言われている。しかしそれならば「Windows 11」と呼ぶべきだったと感じる人もいる。Microsoftは、将来的なWindowsのリリースについて、Windows 10以降は漸進的な、つまり自由なものにする可能性がある、という意見もある。これは、Appleが「Mac OS X」のリリース後に、バージョン名を数字からネコ科の野生動物の名前に切り替えた時に採用したのと同じ戦略だ。その説の背景には、今週早くの報道がある。Microsoft IndonesiaのプレジデントのAndreas Diantoro氏が、同社がWindowsの次期バージョンを現行のWindows 8ユーザーに無料で提供する計画だと発言したという報道だ(同社は30日時点で、Windows 10のビジネスモデルについてのコメントを控えている)。
しかし、ソーシャルニュースサイト「Reddit」上でcranbourneという名前で通っている、Microsoftの開発者を自称する人物の説明に匹敵するものはないように思える。このユーザーは、PCの勃興期にMicrosoftの名を売るのに一役買った、ほぼ20年前のリリースが原因だとしている。
Microsoftの開発者だが、内輪ではこんなうわさがある。いかに多くのサードパーティー製品が次のような形のコードを採用しているかということが、初期テストの段階で明らかになった。
if(version.StartsWith("Windows 9")) { /* 95 and 98 */ } else {
この問題を回避するには、それ(Windows 10)が実用的な解決法だということになった。
これに対して、richkzadというユーザーは返信で、「以前、Windowsの互換性を担当するチームで働いていたことがあるが、これは信じるに難くないことだ」と書いている。実際に、公開されているプログラムリポジトリにも、この例がいくつもある。
基本的に、1995年以降のあらゆるWindowsアップグレードと互換性を持つようにアップデートされてきた多くのソフトウェアプログラムは、こうしたコードスニペットを再利用することで、「Windows 95」と「Windows 98」の両方で動作するようにしてきた。Microsoftの次期OSが「Windows 9」という名称だったら、そうしたソフトウェアは、名称が「Windows 9」から始まるのを見て、新しいOSをWindows 95やWindows 98と間違えてしまった可能性がある。そうなると、互換性の問題が生じて、こうしたプログラムが動作しなくなったり、バージョンチェックエラーや、その他の未知の問題が出現していたかもしれない。
この説は、他の説明よりももっともらしく思えるばかりか(多くのサードパーティー製ソフトウェアは、Windows 95やWindows 98を柱として構築されている)、他のMicrosoftウォッチャーや、テクノロジ業界の情報筋の間からも独自に出てきているように思える。ブロガーでテクノロジストのAnil Dash氏も、全く同じ結論に至っている。
それがWindows 10と呼ばれる本当の理由は、20年前に開発されたエンタープライズ向けアプリケーションの中に、「Windows 9x」をチェックするものがあるからに違いない。#imaginethemeeting
-- ଅନିଲ(@anildash) 2014年9月30日
Microsoftの広報担当者にコメントを求めたところ、「Windows 10は、Windowsでの物事の進め方を新しくするものだ。それは漸進的な変化ではなく、次の10億人のユーザーに力を与える、新しいWindowsだ」という回答があった。
Microsoftは次の「Windows 10」によって「Windows 8」を圧倒することを願っている。
提供:Nick Statt/CNET
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。