一歩前に踏み出すための8つのアフォリズム

富永恭子 (ロビンソン)

2012-02-07 15:19

 デフレに円高と経済の先行きがますます不透明になる中、政治も混迷を続けており、この先、日本はどうなってしまうのだろう——そんな気持ちになると、寒さに耐えて歩く背中もなんとなく丸くなりがち。

 しかし、こんなときこそ胸を張り、前を見据えて前進したいものだ。

 今回は、先駆者たちが残した足跡の中に、彼らの意地と度胸と成功への秘訣を習いつつ、一歩前へ進むための警句・箴言——アフォリズムを紹介する。

1. 絶対にあきらめてはいけない

 「絶対に絶対、絶対、絶対あきらめてはいけない」--ウィンストン・チャーチル

 「ネバー、ネバー、ネバー、ネバー・ギブアップ」は、野田佳彦首相が年頭記者会見で引用して大いに話題になった。

 これは、そもそもイギリスのウィンストン・チャーチル首相が1941年10月、母校ハーロー校を舞台に打った演説で卒業生達に贈った言葉。こちらが元祖となる。

 全文はこうだ。

"Never give in, never give in, never, never, never, never - in nothing, great or small, large or petty - never give in except to convictions of honor and good sense. Never, Never, Never, Never give up."

 チャーチルは幼少時代に名門寄宿学校のハーロー校で厳格な教育を受けたが、成績はビリから三番目とまったく振るわなかった。あまりの成績の悪さに、ギリシア語、ラテン語は身につかないだろうと英語の構文を徹底的に教えられたという。ハーロー校を出た後もサンドハースト王立陸軍士官学校を3度受験してようやく合格したほどだ。

 しかし、それだけできが悪かったにもかかわらず、後年になってから政治家として活躍したばかりか、1954年には『第二次世界大戦回想録』(原題『The Second World War』)でノーベル文学賞を受賞しているのだから大したものである。チャーチル自身、「あのころに英語の基本構造を骨の髄まで徹底的に覚えさせられたおかげだ」といっている。

 ところで、チャーチルにただの英語を書くことを教える役を託されたのが、ハーロー校のソマヴェルという教師だったという。つまり、実はチャーチルの後年の業績の最大の功労者はソマヴェル先生であって、先生ができの悪い生徒を教えることを「あきらめなかった」からこそ、チャーチルが歴史に名を刻むことができたといえるのではないだろうか。

2. 追い詰められたときこそチャンス

 「毎日『勝ちたい』という気持ちで出社しなければならない。切羽詰まったときにこそ、最高の能力を発揮できる」--ビル・ゲイツ

 マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏は、「良い仕事をして出世するためのヒントは?」と聞かれた際にこう答えたという。

 厳しい競争社会で勝ち残りたいなら、常に信念を持ち続け、自分に対して良い意味でのプレッシャーを与えておくことが必要だと彼はいっている。そして、人間は追い詰められると実力以上のチカラを発揮する。ピンチで必要に迫られれば、普段はできなかった見方、発想、考え方、行動もやらざるを得なくなる。追い詰められたときこそ、今までにないチャンスだと考えてみる。そのチャンスをつかめば、世界の流れを変えていくことだって可能なのだ。

 ゲイツ氏は「世界初のパソコンソフト会社を創りたい」と考えた。しかし、マイクロソフトを設立してからは多忙を極め、週80時間働くこともよくあったそうだ(日本の法定労働時間は週40時間)。

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