Ubuntuの次のバージョン(11.04)で、Canonicalは標準のGNOME(あるいはGNOME Shell)から、独自インターフェースである「Unity」に移行する予定だ。Unityのインターフェースは、実際にはネットブック向けに、面積の小さなデスクトップでも使いやすい環境を目指して作られたものだ。このインターフェースは小さな画面に合わせて設計されたものだが、新しいGNOME Shellのインターフェースと同じくらいよいものに仕上がっている。
しかし、標準的なデスクトップのメタファーに慣れ親しんでいる人には、この移行で何が起こるのだろうか。普通のユーザーは大丈夫なのだろうか。この記事では、読者の(そして読者の抱えるユーザーの)移行を楽にする、5つのヒントを紹介する。
1.スタートボタンのことは忘れる
「スタートをクリックして・・・」という表現は過去のものになる。スタートメニューは、お気に入り、ファイルおよびフォルダ、アクセサリ、教育・教養、ゲーム、グラフィックスといったカテゴリを含む疑似サイドバーで置き換えられる。特定のカテゴリをクリックすると、新しい「ウィンドウ」がデスクトップに開き、そのカテゴリに含まれているアプリケーションを起動するための、アプリケーションランチャーが表示される。これが、このデスクトップでもっとも変化したところであり、ユーザーが一番不満を感じるところだろう。これに対処する最善の方法は、自分がよく使うアプリケーションを、お気に入りカテゴリに追加してしまうことだ。これには、該当するアプリケーションのランチャーを右クリックして、「お気に入りに追加」を選択すればいい。
2.コントロールセンターは今後も使える
覚えておいて欲しいのは、UnityはGNOME上の単なるシェルであり、基盤となるツールは消えてはいないということだ。メニューサイドバーで、システムのカテゴリをクリックすれば、コントロールセンターのすべての下位カテゴリが表示される。Alt+F2で、標準バージョンのGNOMEと同じコントロールセンターを開くこともできる。そこから、GNOMEのさまざまな項目を設定することができる。これはUnityでも、GNOMEのコントロールセンターが、ユーザーがデスクトップの設定を行う唯一の場所として使われているということでもある。
3.デスクトップ表示ボタンを活用する
OSやデスクトップに関わらず、デスクトップ表示ボタンは多くのユーザーに無視されているか、そもそも存在していない。しかしUnityでは、デスクトップ表示ボタンを使いたいと思うだろうし、実際に頻繁に使うはずだ。なぜなら、あるアプリケーションを開いた状態から、同じカテゴリの他のアプリケーションを開こうとした場合、今使っているアプリケーションを最小化し、新しいアプリケーションを開かなくてはならず、元の作業に戻るには、さらに使っていたアプリケーションの最小化を解除しなくてはならないからだ。デスクトップ表示ボタンを活用すれば、ランチャーまではクリック1回だ。もちろん、デスクトップのどこかをクリックすることでも同じ結果を得られるが、最小化されたアイコンは左上の角に表示されることから(これはデスクトップ表示ボタンがある場所だ)、デスクトップ表示ボタンを使えばマウスの動きを節約出来る。Unityは効率の向上を目的に作られたものであり、設計の狙いを利用するに越したことはない。