インターネット上のスパムの大部分を送信する指示に関与していたISPが遮断されてから、1週間強が過ぎた。遮断後間もなく、多くの団体がスパム送信量が激減したことを歓迎したが、その真実はもっと微妙なものだ。
スパム業者を除く誰もがスパムを嫌っており、今回の出来事は結果的にメディアの大きな関心を引いた。ただし、この問題にははっきりさせておくべき2つの誤解がある。このISPは、それ自体が直接インターネット上の全スパムの半数以上を送信していたわけではなく、単にスパムを送信するシステムを統制していただけだ。もし、それ自体がそれだけのメールを送信していたら、地球上で最大のトラフィック発生源となっていただろうし、回線費用の負担でとうに潰れていただろう。また、このISPが関与していたのはインターネット上で送信される全スパムの半分についてであり、メールボックスに配信される全スパムの半分ではない。強力なコンテンツフィルタを持ち、複数レイヤのIPアドレスのブラックリストを持っているISPでは、顧客のメールボックスに配信されるスパムの数はほとんど変わらなかったはずだ。このISPによって送信されたスパムは、もともと優れたアンチスパム保護技術に投資している人たちには届いていなかった。
私はこのISPの遮断を、インフラの遮断が実際に効果があることを示すことで、今後他のスパムを支援する組織を追い込んでいく機運を作った画期的な出来事だと思う。私はこの出来事が、私がスパム戦争で攻撃に出るために、次に必要なステップを取ることを後押しするのではないかと考えている。次の一歩とは、経済的基盤を攻めることだ。もしスパム業者を本当に攻撃したいのなら、クレジットカードを処理する業者に、スパム業者のトランザクションを処理させない方法を見つけることだ。これは一定の種類のスパムの金銭コストを引き上げ、採算の取れないものにし、それらのスパムをインターネットから消すかもしれない。
私は祈るだけだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ