New York Timesは、インターネットをゼロから再設計することを目的とする、新たな学術研究プロジェクトに関する記事を掲載した。しかしこの取り組みから得られるもっとも貴重な成果は、新たなテクノロジーではなく、正式に教育されたセキュリティ研究者だろう。
米国時間2月15日、同紙はJohn Markoff氏の手になる記事を掲載した。この記事によれば、まったく新しいインターネットをゼロから作り出すために、大学のグループが巨大な助成金を受けたという。このグループによれば、この研究を行う動機は、現状のインターネットは安全なものにすることはできず、最初からセキュリティを考慮した新たなインターネットを設計し直す必要があるからだという。
くだらない。
インターネットが安全でないのは、基本アーキテクチャに問題があるからではない。インターネットが安全でないのは、ユーザーが安全でないシステムでインターネットを使っているからであり、目的にさえ合っていればどんなプログラムでも実行してしまうからだ。この問題を解決するには、実行するアプリケーション、互いに接続する相手を規制し、ピアツーピアなどの新たな技術の導入によるリスクを抑制する必要があり、プロトコルレベルで解決できるものではない。
このプロジェクトから得られる最大の価値は、あらゆる大学が上げる一番の成果と同じ、新たなエンジニアと研究者だ。学生が、何の制約もなしに最初からセキュリティを考え直すことで、どれだけのことが可能かを数年間考え続ければ、現在のテクノロジーに付加することのできるイノベーションを思いつくかも知れない。卒業した暁には、彼らは研究の成果を市場に持ち込んだり、新たなエンジニアや研究者を訓練したりするだろうし、それによって誰もが助成金から得られた価値を享受することができるようになるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ