セキュリティ研究者が、Twitter APIがワーム攻撃に利用される可能性について警告している。
注目を集めるソーシャルネットワーキング・マイクロブログサービスであるTwitterは、ワーム攻撃を阻止するため、クロスサイトスクリプティングやその他の脆弱性の修正に大急ぎで取り組んでいるが、研究者のAviv Raff氏が指摘するように、Twitterを攻撃するワームを送るためにTwitter APIが「弱いリンク」として悪用される可能性が高い。
ブラウザとウェブアプリケーションの脆弱性に関する研究で知られるRaff氏は、APIを利用するサードパーティサービス(Twitpicなど)に1つ脆弱性が存在すれば、それが次のTwitterワームの原因になり得ると指摘している。
(参照:TwitterがXSSワームの複数の亜種に攻撃される)
この脅威の例の1つが、私が数週間前にTwitpic.comのウェブサイトで見つけた脆弱性だ。TwitpicはTwitterのプロフィール情報をインポートし、それをTwitpic.comのプロフィールページ上で表示する。twitter.comは(ようやく)Twitterプロフィール情報ページ(名前、URL、略歴などが表示される)のHTMLタグを安全なものにしたが、Twitpic.comはそうできておらず、この問題を悪用してtwitpicのユーザープロフィールページにスクリプトを差し込むことが可能だった。これは非常に単純かつなかなかなくならないXSSで、これを悪用することによって簡単にtwitpic.comのユーザーアカウントを乗っ取ることができる。ところが、twitpic.comはTwitter APIを使い、ユーザーの代理として自動的にtwitterに情報を送ることから、ユーザーが写真や他のユーザーの写真へのコメントをアップロードするごとに、それを利用して簡単にTwitterワームを作り出すことも可能だ。
Raff氏はデモ用の攻撃を作成し、同氏が作成したtwitpic.comのユーザー(twitpicxss)のプロフィールを別のユーザーが閲覧すると、自動的にTwitpic.comの無作為の写真にコメントが付けられてしまうようにした。
Twitpicサービスにログインしている間にこのプロフィールページを閲覧すると、Raff氏がコメント中に設定した内容が自動的にtweetとしてTwitterに送られる。
この内容には、ユーザーtwitpicxssのプロフィールへのリンクが含まれており、これを利用して他のユーザーに対してそのリンクをクリックさせ、ワームを広げ続けることも可能だった。
Raff氏は私に、サードパーティTwitterサービスに存在する別のクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)の問題も、例として見せてくれた。
Twitterがアプリケーションとインフラのセキュリティを専門とするソフトウェアエンジニアを探していることは、最初の一歩としては非常によいものだが、APIの使われ方にまでセキュリティが確保されない限りは、同サービスは今後もワームの餌食になり続けるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ