「エリックさん! 代表電話に海外の方からのお電話が入っています!」
代表電話のオペレーターからいつもとは違う慌て声の内線電話が入りました。だいたい代表電話に来る電話にろくなものはありません。名刺を交換していれば会社の席の電話番号がわかるし、クライアントなど緊急な連絡が必要な場合には携帯電話の番号を教えてあるからです。きっとシンガポールなどのヘッドハンターでしょう。「海外の方」ということは、名前が聞き取れていないのか、相手が意識して言っていないのかどちらかですが、いずれにせよ「代表にかかってきた外人の電話は適当にあしらっておいていいよ」と言うと、「ドキドキで大変だったんですよ。英語の電話苦手なんです……」――いつもは素晴らしい対応をする彼女が、こと外国からの電話となるとタジタジな様子でした。
では、一体外国人の電話にはどうやって対応すればいいのでしょうか。
まずはオドオドしない姿勢から
まず、英語の電話に対して気持ちで負けないようにして下さい。ここは日本です。日本語を話す国です。英語が話せないからと言って卑屈になる必要はありません。英語での対応がシドロモドロなあなたに対して舌打ちなどする外国人は、気にする価値はありません。
では、どうすればオドオドしなくて済むのか。それは簡単です。電話対応時に確認すべきポイントと伝えるべきポイントをきちんと押さえておきえばいいのです。電話対応で素晴らしい文学的な表現をする必要もありませんし、必要以上にジョークを言ったりする必要もありません。つまり、
- 聞くべきことを聞き、伝えるべきことを伝える
それだけなのです。外国人は、基本的にやるべきことをやれば文句を言いません。電話の取り次ぎも同じです。やるべきことをやらないから時に彼らはキレるのです。これは英会話学校に通っても何も解決しないのです。
ポイントさえおさえればOK
では、電話の取り次ぎとして「やるべきこと」とは何でしょう? 相手は何かを伝えるために電話をしてきています。メールが普及した今、わざわざ電話をかけてくるのですから緊急の要件かもしれません。そんな大事な時ほど「やるべきこと」を意識して、漏れがないようにして下さい。
エリック式の表現は、完璧を求めません、まずは、気分的に楽になることが大切です。以下、簡潔に「確認すべきこと」をまとめます。完璧を求めると大変ですが、正直これだけ意識していれば充分合格です。電話が終わった時にあなたの手元に以下の項目のメモがあればいいのです。あまり恐れず行きましょう!
- 電話があった日付と時間
- 電話をかけてきた人の名前
- 電話で話したかった相手の名前
- 電話をかけてきた人の連絡先(電話番号やメールアドレス)
これだけです。
肝心の要件はどうすればいいのでしょう? もちろん要件がきちんとメモできればいのですが、これはなかなか難しい。「何となく急いでいるようだった」というニュアンスだけでもつかめれば十分です。まずは、何時に誰から電話があって、その人の連絡先はここだ、ということがわかっているかどうかが一番のポイントです。あとは、早く取り次いでしまう、この時間が重要なのです。