ボディーランゲージはコミュニケーションの基礎--エリック松永の英語道場(28)

エリック松永

2009-07-13 08:00

 What's up man?

 最近、こんな話を聞きました。ある女性3名が仕事でとある米国の田舎のホテルに滞在した時のこと。ホテルの部屋に着くと、タオルが足りません。3名の中で唯一英語が話せるAさんは、翻訳家として活躍している才女。もちろん彼女がフロントへ行くことになりました。でも戻ってくると、手には何も持っていません。「バスルームにあるはずだから探してみろって言われたの」。大人しいAさんは、相手に圧倒されて帰って来たようでした。そこで怒りをあらわにフロントへ殴りこんだのが、全く英語の話せないライターのBさん。しばらくすると、フロントからタオルとフルーツを手にしたホテルマン同行で戻ってきました。ホテルマンはフルーツを置き、深々と謝っていったそうです。

英語力に勝るコミュニケーション

 コミュニケーションとは、相手に意思を伝え理解させることです。素晴らしい文章で淡々と怒りを表すより、表情や身振り、口調で怒りを表す方がダイレクトに相手に伝わります。日本人は表情がないとよく言われますが、怒った時は怒った顔をし、楽しい時には思い切り笑う、そんな基本的な動作をするだけでコミュニケーションがうまく取れるようになります。

 しかし、わかっていても現実はそう甘くありません。英語コンプレックスの塊である日本人は、自分が発した基礎的な単語が伝わらないだけでへこんでしまい、自虐モードになりがちです。「あぁ、俺の言った『タオル』は通じなかった、どうすればいいんだ!」と。へこむ原因の1つは単語がわからないこと、そして2つ目は発音の仕方がわからないこと。これらのハードルをクリアしなければ自虐モードになりがちです。

 それでは、先ほどのBさんはどうだったのでしょうか? 実は、「た・お・る」と連発していたそうです(笑)。コミュニケーションは、おびえないことが大切だということですね。

 とはいえ、Bさんのように図太い神経を持った人は少ないと思いますので、ここではまず単語が分からない時にどうすればいいのか、そして単語の発音をどうすればいいのかについて考えてみましょう。

単語が分からない時の対処法

 さて、Bさんの「た・お・る」がなぜ相手に伝わったのでしょうか。彼女は、タオルがないことで怒っていて、その怒りでかなりオーバーに頭をふいたり身体をふいたりといったボディーランゲージを使ったようです。ボディーランゲージは、単語がわからな時には有効なコミュニケーションツールになります。私も英語圏以外で言葉が通じない時には、ボディーランゲージを駆使します。

 ボディーランゲージでのコミュニケーションは、結構楽しいものです。例えば、ビジネスで相手の資料が間違っていた場合。間違った部分を指で差し、両指の人差し指をクロスさせて×をつくったり、渋い表情で首を振って「No」言ってもいいのです。通じなければ他のボディーランゲージを考えましょう。とにかくめげずにトライすること。そこから仲良くなることも結構あるんですよ。ただし、同じ手の人差し指と中指をクロスさせないで下さいね。これはcross my fingersという言葉にもなっていますが、意味はGood Luckなので、Noとは逆になってしまいます。

 ボディーランゲージはたくさんありますが、今回は基礎中の基礎を3つマスターしましょう。

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