1. 「いいねー!」「最悪だ……」
手を握ってこぶしを作り、そのこぶしから親指を上に突き出すと「いいね!」「最高!」という意味になります。「ターミネーター2」でArnold Schwarzeneggerが自分のメモリを破壊するため溶鉱炉に入っていく時に、このボディーランゲージを使っていました。印象的なシーンです。
逆に、親指を下向きにすると「最悪だ」という意味になります。
手だけではなく、「最高」や「最悪」を表情にも出す癖をつけましょう。よりよりコミュニケーションができるようになります。
例えば、ボスの部屋でこっぴどくしかられ、部屋から出てきた時に外国人の同僚が通りかかったとします。その時はその同僚にこっそり「最悪……」とボディーランゲージで伝えてみましょう。また、同僚の資料やコーディングシートをチェックし、問題がない時は満面の笑顔で「いいね!」とボディーランゲージで伝えるのもいいですね。このように、ボディーランゲージはいろんな場面で使えます。
2. 便利な「わからない」のポーズ
わからない時は、もじもじしないで見栄を張らずに「わからない」と伝えましょう。お盆を持ったように曲げた両手を少し上にあげて、首をすくめてみます。視線は必ず相手に。これが大事です。少し開けた目を物寂しそうに演出できれば、あなたのボディーランゲージは円熟してきたといえるでしょうね。
いつもわけのわからないボスの資料を頭をかかえて見ている時に、外国人の同僚と目が合いました。その時はすかさず「わからないよねぇ」とボディーランゲージです。その時、笑顔を忘れないように。笑顔は次のコミュニケーションへの栄養になります。
3. 「あぁ、大変だ……」
人差し指で額の汗をぬぐうようなしぐさをしながら、「phew」と言ってみましょう。「あぁ、大変だ」ということが伝わります。例えば、大量にプリントアウトされたダンプリストを運んでいる時に外国人の同僚と目が合ったら、このしぐさをしてみましょう。ここでも最後に笑顔を忘れずに。しかめっ面だと、単に疲れたというイヤミにしかなりませんのでお気をつけあれ。笑顔でボディーランゲージをすれば、きっと向こうも笑顔で返してくれるはずです。
時にノリが悪い人もいますが、そういう時は気にしない、気にしない。笑顔で返してくれる人がいれば次のコミュニケーションにつながるのです。気持ちよくコミュニケーションできる相手を見つけるのも、早く場になじむためのテクニックです。ノリのいい人を見つけるためにも、積極的にボディーランゲージしてみましょう。
国によってボディーランゲージの意味が違うケースがありますが、あまり神経質にならなくていいと思います。変に神経質になるよりは、とにかく表情豊かに思ったボディーランゲージをぶつける方がコミュニケーションとしては効果的でしょう。通じなければ他のボディーランゲージを試してみてください。それだけです。もしかすると、日本独自のボディーランゲージでより深いコミュニケーションが図れるかもしれないのです。
さあ、ボディーランゲージを使って、楽しくコミュニケーションしましょう!
Peace out,
Eric
筆者紹介
エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。著書に「クラウドコンピューティングの幻想」(技術評論社)がある。
イラストレーター: まつなが みか
つぶやく日本人や音楽にまつわる「人」のイラストを描く。CDジャケット、ショップ、雑誌等で活動中。エリック松永の愚妹。