放置すると危険なうつ病
前回も書きましたが、うつ病は、薬物治療や十分な休養などの正しい治療を早期に受ければ、7割以上の人が3カ月以内に回復します。一方で、「こころの風邪」と呼ばれる程身近な病気になったものの、気付かれないまま放置されやすい病気でもあります。どうしても見逃されやすいうつ病ですが、そのまま放置して重度化してしまうと回復までに想像以上に時間がかかります。
うつかな? と思ったら
「自分はうつ病ではないか?」と思った時には、初期の段階でそのことに気づき、適切な対処をすることが重要です。今回はその「気づき」と「対処」について、それぞれの5カ条をお話ししましょう。まずは、気づきから……
気づきの5カ条
その1:同僚・上司・家族に聞いてみる
うつは自分ではなかなか気づきにくいものです。自分だけの判断に頼らずに、周囲の人に「僕って最近何かおかしいと思う?」など、聞いてみるとよいと思います。特に家族は異変に気づきやすいものです。
その2:健康診断を受ける
うつ病になると、心の不調に先行して体の不調が出やすくなります。「最近疲れやすい」「寝つきが悪い」「頭痛・肩こりがひどい」といった体の不調はその一例です。このような体の不調を感じたら、「単なる疲れだろう」と軽視しないで、一度健康診断を受けてみて下さい。
その3:体重を計る
うつ病になると、体重が1カ月間で5%以上減少すると言われています。心の変化は目に見えないのでわかりにくいのですが、体重の変化であればわかりやすいですよね。ダイエットをしているわけでもないのに、体重の減少が著しい場合は要注意です。
その4:スケジュール帳をチェックする
これは特に社会人の方にお勧めです。社会人であれば、自分の行動をスケジュール帳にメモしていると思います。その内容から自分を振り返り、忙しすぎて「疲れている」だけなのか「うつ」なのかを見極める1つの指標としましょう。
その5:これまで興味のあったことに興味が沸かない
うつ病になると意欲が低下し、新しいことへのチャレンジはもちろん、これまで興味があったことにすら関心を示せなくなります。男性であれば、性欲が減少することもあるようです。