うつ病からの社会復帰に向けて--心の病と戦う技術者たち(3)

藤本京子(編集部) 2007年11月14日 17時00分

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 前回の特集では、メンタルヘルスの患者数が増加傾向にあること、そして技術者に患者数が多いことなどを、専門家の意見とデータを元に見てきた。技術者の勤務時間が他の業種に比べ長時間になりがちなことや、SI業務で客先に常駐するケースが多く、顧客先でのプレッシャーが自社内での仕事よりも大きくなりがちなこと、真面目に仕事に取り組むあまり、病状が悪化するまで対策を取らずじまいとなってしまうケースが多いことなど、技術者の心の病には課題が多い。

 とはいえ、いったん病に侵されてしまうと、回復を目指して病気と闘わねばならない。うつ病について、医療法人こころの会 精神科医 理事長の高橋龍太郎氏は「失われたエネルギーをためている時間」と表現する。つまり、うつ病になった時の対処法は「何もしないことだ」と高橋氏。何もしないことでエネルギーが徐々にたまり、回復に結びつくという。気晴らしに強い運動をする人もいるが、「それよりもゆっくり休養することで、自然にエネルギーをためてほしい」と高橋氏は話す。

 ただし、高橋氏は「うつ病になると極端に悲観的になったり、理想化した観念を抱いたり、自分を過小評価したりと、客観的な視点が失われることもある」と警告。そういった心のゆがみを精神科で治療するのだという。

 「何もしない」--それはつまり休職を意味する。有給休暇さえまともに消化できない技術者が多い中、長期間に渡って休みを取ることをためらってしまう人も多いかもしれないが、無理をして仕事を続けても病状が悪化するだけだ。休職したとしても、「ほとんどの場合、復職できる」(高橋氏)というのだから、無理をせずにエネルギーをためる時間を作ってほしい。

復職に向けて

 休職中は、「十分期間を取って必要な量の薬を飲み、治療を続けながら様子を見る」というのが鉄則のようだ。復職のためのプログラムも用意しているという高橋氏のこころの会グループでは、復帰に向けたカウンセリングやグループミーティングも行っている。こうして徐々にエネルギーがたまったら、1カ月から半年程度で復職を考えるよう、高橋氏は勧めている。

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