人間我侭なもので、何を買えば良いのか判らないときに、皆が持っているもの、スタンダードなものを買いたがる。しかし、あまりにも多くの人が持っていると、かえってそれを敬遠して、ちょっと変わったものを探し始める。そこの臨界点がどこにあるのか判らないが、これは多分に心理的な問題だろう。最近、Googleがその心理的臨界点を超えつつあるような感覚がある。
GoogleのMicrosoft化
かつてMicrosoftはその臨界点を超え、多くの人がそのソフトウェアを使い続けているにも関わらず、その市場寡占に対する批判を受けた。そしてその唯一の対抗軸とも言えるGoogleが、Microsoft化しているという批判を受け始めたのである。Ad InnovatorがCNETの記事でこれを紹介している。
記事が取り上げたのは、Googleがお薦めソフトを一括ダウンロードさせるGoogle Packのデフォルト・ブラウザーをFirefoxからGoogle Chromeへ変更したという点。日本語版ではそうはなっていないが、英語版で見ると、Firefoxのデフォルト設定のチェックが外れ、Google Chromeにチェックが入っている。
Googleが自分で開発したのだから、当然と言えば当然である。しかし、ブラウザーというのは、かつてMicrosoftがOSとバンドルしたことにより批判を浴びた鬼門である。Webへの入口という機能面の重要性のみならず、その評判に与える影響も看過できない。つまり、囲い込み戦略を連想させ、それに対する警戒感を惹起する可能性が高い。