ユニファイドコミュニケーション(UC)はIT業界における新たな流行語であるが、それは実際に何を意味するのだろうか?UCを導入するにはVoIPが必要なのだろうか、それとも逆にVoIPを導入するのにUCが必要なのだろうか?UCは、ビジネスの世界におけるVoIPの普及をどのように後押しているのだろうか?今回は、Deb ShinderがVoIPとUCの関係を説明するとともに、こういった疑問に答えている。
ユニファイドメッセージングやUMとも呼ばれるユニファイドコミュニケーション(UC)はIT業界における新たな流行語であるが、それは実際に何を意味するのだろうか?この質問に対する答えは、問いを向ける先によって違うだろう。例えば、ベンダーは自分たちの売りたい商品に応じて用語の定義を独自に変更する傾向がある。しかし、ほとんどの定義によればUCはボイスメールや電子メール、ファクス、インスタントメッセージ、ビデオ会議などのさまざまなコミュニケーション手段を1つのインターフェースおよび/またはレポジトリに統合する能力のことである。
とは言うものの、企業においてユニファイドコミュニケーションソリューションを実現する方法はいくつもある。最も簡単な形式のものでは、電子メールクライアントを通じてファクスやボイスメールメッセージにアクセスする機能が提供されている。より洗練されたものでは、電子メールの内容を電話で聞くという機能だけではなく、口述した内容を電子メールやインスタントメッセージ、ファクス、ボイスメッセージとして返信するという高度な機能も提供されている。
UCの導入にあたっては、通常の電話システムの利用が可能であるため、VoIPが必須というわけではない。とは言うものの、VoIPが導入されていた方がユーザーの利便性が向上する。VoIPサービスには電子メールへのボイスメール転送メカニズムや、Find Me Follow Me(FMFM)機能など、UCシステムの機能がすでに搭載されている。さらに、VoIPが導入されていれば、従来の電話サービスに依存するUC製品を利用する場合に比べて、スケーラビリティが向上するうえ、より優れた統合を実現できる。
電子メールに代表される非同期通信を、電話といったリアルタイムの通信と組み合わせようとすると、ある種の難しい問題が発生する。しかし、ユーザーはより高い柔軟性を手にし、ユーザー間のメッセージの受信や処理、送信を各自に適した方法で行えるようになる。
企業環境におけるUCの利用
驚くほどのことではないが、UCの導入は中小企業よりも大企業の方が進んでいる。UCを導入することでエンドユーザーの日常をよりシンプルなものにし、運用や維持にかかるコストや、間接費を削減することが可能になるものの、中小企業にとっては当初かなりのコストがかかり、ややこしいものとなる可能性もある。しかし、この分野の競争が激しくなり、UC製品の価格が下がってきたことで、中小企業でもVoIPをベースとしたUCの導入が進んでいる。
UCシステムの標準的な機能のいくつかは、生産性を大幅に向上させることができるものであり、そのメリットは顧客やパートナー、ベンダーとの間や企業内における毎日の(またはより頻繁な)コミュニケーションに依存している企業において顕著である。UCシステムによってユーザーは以下のようなことが可能になる。
- 電子メールやボイスメールメッセージ、ファクスなどにアクセスする際に、同じデバイスおよびインターフェースを使用することができる
- メッセージや発信者に優先順位をつけ、優先度の高いメッセージを先に取り出して迅速に対応することができる
- メッセージングシステムを切り替えることなくメッセージに応答したり、通話中にメッセージを転送することができる
- ボイスメッセージを電子メールの添付ファイルとして他のユーザーに送信することができる。これには、アシスタントなどの特定人物が常にそのボイスメッセージのコピーを受信するよう自動転送を設定する機能も含まれている
- 複数の宛先へのメッセージ送信を1通話で行うことができる
- テキストから音声への変換機能を用いて、電子メールのメッセージを電話で聞くことができる
- 電子メールへの返信として電話で口述した内容を送信することができる
- 新たに受信したファクスに関する情報を電話で聞くことができる
- どのようなコンピュータやモバイル機器の電子メールクライアントからでもファクスを閲覧することができる
- ファクスを電子メールの添付ファイルとして転送することができる
- ボイスメールメッセージや電子メールメッセージ、ファクスの受信をポケットベルや携帯電話に通知することができる
筆者Debra Littlejohn Shinderについて
Windows Server SecurityのMicrosoft Most Valuable Professional(MVP)として、多数の書籍や技術文書などの執筆、編集作業に力を入れながら、テクノロジーコンサルタント、トレーナーとしても活動する。警察官、警察学校のインストラクターとして活躍した経験を持つ。専門はMicrosoft製品とセキュリティ。
関連情報
-
VoIPの展開:コンバージェンスのメリットとデメリットを比較する
VoIPの導入を検討するうえで必ず発生する議論が、データネットワークとインフラを統合するべきか否かだ。これは可用性から管理性に至るまでさまざまな軸で検討する必要のある問題で、一筋縄には行かない。 - ソフトウェアの要らないVoIPサービス「JAJAH」って?
- 運用の負荷が課題?--VoIP導入までの4つの障壁を考える
「通信」 の新着情報
-
複数のデータセンターを分散させたままでBCP/DRを展開:山武
業務に必要なシステムをデータセンターで稼働させている企業は多いと思うが、災害復旧(DR)を中心とした事業継続計画(BCP)... - 日立ソフト、「SecureOnline 出前クラウドサービス」発表--導入負担を軽減
- APC、アセスメントサービス拡充--赤外線カメラで高温部分を把握
- シマンテック、中小企業に関するIT調査を発表:57%がIT費用増加と回答
- 日本IBM、企業内クラウドの展開を管理するアプライアンス「CloudBurst」を発売
- 通信 一覧へ »
「シンダー先生のシステム管理ゼミナール」 のバックナンバー
-
マイクロソフトのVoIP市場進出への準備は万全?OCSをレビュー
マイクロソフトのVoIP製品「Office Communications Server」に搭載されているソフトウェアベースのVoIP機能は、既存のPBXシステムと統合することも単独で使用することも可能である。今回はOCSの機能を取り上げる。 -
企業の事業継続計画(BCP)に盛り込んでおくべき10項目
-
料金、音質、信頼性…あなたがVoIPに求めるものは何?
-
VoIPは詐欺師にとって好都合なテクノロジなのか?抜け道をふさぐポイントを探る
-
本当に意味のあるIT資格を目指そう:米国ITプロが選ぶ10の有力資格
- シンダー先生のシステム管理ゼミナール 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
ストレージ、イチから勉強しませんか?
ネットワークに仮想化、ストレージの流行も教えます -
企業が幸せになるための3つの視点とは?
アプリケーション導入に迷われている方はこちらへ
企画特集
-
SOA、BPM、SaaS −今、企業に必要なこと
ビジネス・アプリケーションの今を網羅する特設サイト -
仮想環境を実現するソリューション特集
仮想化導入時、こんなところ気にしてますか? -
ストレージメディア特設サイト開設
仮想化環境において最適なソリューションを! -
セキュリティ&ユーザ事例【SIer Club】
最新のセキュリティ情報と提案事例が満載 -
そのストレージで仮想化に対応できますか?
メリット盛りだくさんのサンのオープンストレージ製品 -
【徹底対談】運用管理ツールの賢い使い方
市場背景〜仮想化管理までアナリストが解説! -
インターネット上の悪意を未然に防ぐには?
ブラウザに備わったセキュリティ機能を徹底解説 -
中小企業のセキュリティリスクとは?
導入する側・される側 得するセキュリティ製品 -
今注目の「サジェスト検索」−デモ掲載中
システムのユーザビリティに革命を起こす技術とは -
◆エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新◆
不況下でも急成長の秘訣とは?注目企業の取組みも公開! -
集積度も性能も、業界最高水準のブレードPC
サーバの実装技術を、シン・クライアントへ応用 -
ESBでIT投資の無駄を劇的に解消する
IBM IMPACT 2009を徹底レポート! -
ロリポップ!がリニューアル
【第1回】創業者の家入一真氏が語る誕生秘話!! -
パンデミック対策特集
2009年のパンデミック発生から再考する事業継続計画 -
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
エンタープライズにおけるSUSEの強み
次世代データセンターの基盤は11だ。 -
サーバー監視・運用のコストを削減するには
エージェントレス方式を用いたパトロールクラリスで -
サービス・ドリヴン・データセンター
コスト効果の高いデータセンター構築には? -
■ストレージ容量50%削減保証■
ネットアップによる削減保証キャンペーン実施中
ZDNet Japanからのお知らせ
- ご回答にはCNET_IDご登録が必要です。
-
17. Intel Threading Building Blocks
オライリーブックから出版されている「Intel Threading Building Blocks... -
18. Intel Integrated Performance Primitives
単に最適化コンパイラを使うよりもパフォーマンスを良好にするルーチン...
新着企業動向
-
シヤチハタ株式会社の電子印鑑対応ワークフローシステムに
システム連携ツール”jBOLT EXpedit...
マジックソフトウェア・ジャパン -
待ったなし!会計基準の国際化対応 緊急セミナー
NTTソフトウェア -
【EMC Mail News】3分でわかる最新ハイエンド・ストレージSymmetrix V-Maxの製品概要
EMCジャパン -
SecureCube / Access Check
NRIセキュアテクノロジーズ - 企業動向一覧へ»
幸い今回は弱毒性で大事には至らなかったが、まだ油断はできない。企業活動を停止すると、大きな経済的損害や社会的信用の低下を招いてしまう。
サーバやOS、アプリケーションなどの世界ではオープンソーススタンダードが市場を牽引する現在、ストレージの世界でもオープン化の流れが始まっている。 
