サポート技術者をイライラさせる原因トップ10

文:Becky Roberts 翻訳校正:吉井美有

2006-07-11 08:00

 われわれサポート技術者は、さまざまな環境、業界に身を置き、部門編成、インストールベースやユーザーの数もサポート対象によって異なる。しかし、人間とコンピュータがうまく協調していけるようにするという目標は、どのようなサポート技術者でも同じだ。私は、数年にわたって、民間の航空機メーカーから経営コンサルタント会社、化学プラントから陶器製造業まで、さまざま業界を経験してきた。その間、サポートの対象としたハードウェア、ソフトウェア、ユーザーはさまざまだったが、われわれサポート技術者をイライラさせることがらは驚くほど共通していた。そこで今回は、サポート技術者をイライラさせる原因トップ10を思いつくままに紹介してみたい。

#1 現象を客観的に説明するのではなく、問題を自分で勝手に診断して、原因はそれしかないと言い張るユーザー

 こうしたユーザーの典型的な例として、しょっちゅうサポートに連絡してきては「T1回線がダウンしていて、Webも使えないしSAPにもログインできない」と訴えるお偉いさんがいる。この人は現象を説明することをせず、とにかく「T1回線がダウンしてるんだよ。直してくれ。」の一点張りだ。この種のユーザーは二重の意味で厄介だ。トラブルシューティングが複雑になるだけでなく、多くの場合、ユーザーの誤解を解くことが難しいからだ(この例では、T1は信頼性が低いものだという先入観がある)。

#2 トラブルシューティングの最中にやたらと質問してくるうえに、こうしたらどうかと提案までしてくるユーザー

 私は、自分の知識を提供し、ユーザーの技術レベルを高めたいと思っているが、同時に、トラブルシューティングの真っ最中にそれをやりたくはないとも思っている。明らかに難解な問題に取り組んでいるときに、これをやられると本当にイライラしてくる。ユーザーが質問してきて、それに答えられないと、トラブルがうまく解決できないことと相まって自分の無能さを再認識させられるからだ。

#3 問題の原因となるようなことを行ったことを認めないユーザー

 例えば、「え、私のマシンにDoomがインストールされているだって? 一体どうやってそんなことになったのか皆目見当が付かない」と答えるといったケースがこれにあたる。例えば、ある地方大学のMBA取得コースからきていた夏期インターンが、ネットワークにアクセスできないとヘルプデスクに文句を言ってきたことがある。彼のコンピュータをざっと調べてみたところ、「n」で始まる名前のファイルがすべて削除されてしまっていることが判明した。この実習生はファイルなど一切削除していないと言い張っていたが、結局は、何もすることがなかったので見覚えのないファイルをすべて削除したと思うと白状した。なぜ、nで始まるファイルから始めたのかは今もって謎だが。

#4 別の会社の技術サポートにユーザー扱いされること

 私は、困難な問題にぶつかり、メーカーの技術サポートに電話する羽目になるのがいやだ。しかし、いろいろと試して、マニュアルも読み、エラーメッセージをGoogleで検索し、食事もとらずに取り組んでも問題を解決できないときは、メーカーの技術サポートに電話する。彼らは、例によって非常に基本的なことを尋ねてくるわけだが、そんな質問をされることに私は耐えられないのだ。「プリンタの電源コードがコンセントに接続されており、電源がオンになっていることを確認しましたか?」ああ、勘弁してくれー。そんな質問は省略していいから、すぐに高レベルの本題に入ってくださいよ。あなたが今一度確認せよとおっしゃることは、少なくとも3回は確認しましたから。お願いしますよ。あ、いや、ちょっと待って。今のは忘れて。電源コードのスイッチがオフになってました・・・。

#5 購買要求書を変更してしまう購買部門

 購買部の役割の1つは、最安値の部品を探すことだというのはよく分かっているし、その重要性も理解している。しかし、こちらが購買要求書に記載した部品を、単に安いからという理由で、同等と判断した他の部品に勝手に変更してしまうのは勘弁してほしい。私も、これで相当にいらついたことがある。レックスマーク製のプリンタ用にキングストンのRAMの購買要求を提出したときだった。RAMが届いたとき、うかつにも、それがキングストンではなくゴールデン製のRAMだったことに気づかなかった。プリンタはまったく動かない。レックスマークのドキュメントをめくってみると、ゴールデン製のRAMは使えないと書いてあった。しかし、もう封を切ってしまったので返品はできない。購買部の社員は、取引先のVAR業者の勧めに従ってゴールデンのRAMに変更したようだ。価格がキングストンのRAMの3分の1だったのだから無理もない。しかし、このケースではコストを節約しようとして、かえって高くついてしまう羽目になった。

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