ビデオ会議システムは、距離を越えて、顔を付き合わせたフェイス・トゥ・フェイスの会議と同じ効果をもたらそうとすることを目的にしている。そうしたビデオ会議システムが今目指しているのが、高精細(High Definition:HD)化だ。ビデオ会議システムのもともとの目的から考えると、当たり前の結論と言えるだろう。
ポリコムジャパンのマーケティング部シニアマネージャの青木律子氏によれば、「ビデオ会議システムでHDはまだ主流とは言えないが、今後関連各社からリリースされる製品はHD対応が進んでいく」と言う。もちろん会議システム専門メーカーである同社でも現在、HD対応を進めているところだ。
それでは、HD対応とは一体何を指しているのだろうか。国際電気通信連合(ITU)で通信分野の標準策定を行っているITU-Tの定義によれば、HDとは「アスペクト比率が16:9で解像度1280×720」という「720p」という方式と「アスペクト比率が16:9で解像度1920×1080」の「1080i/p」という方式を指している。これは純粋に映像についての規格だ。
ポリコムジャパンでは、この映像のHD対応も含めて、「映像・音声・データの三位一体でのHD対応」(青木氏)を進めているところだ。同社では、これを「UltimateHD」という技術で展開している。UltimateHDにおけるHD映像とは、720pで1秒間30フレームの映像であり、HD音声とは、14kHz、22kHzステレオを指し、HDのデータとは720pの1秒間30フレームか、もしくは1024×768の解像度で1秒間30フレームを指している。ポリコムジャパンが進めるUltimateHDは、「会議の質を変える」(青木氏)ものだという。
「HDの音声は、発音の違いや微細なニュアンスまでも伝えることができ、会議に参加している人たちの理解度を高め、疲労度を低減することが可能になります。またHD映像を利用することで、その精細度から画面の向こうの相手の表情を読み取れる、クリアな映像が会議のストレスを軽減させることができます。そのことで会話以外の情報から、相手の真意を読み取る、よりリアルに近いコミュニケーションを取れるようにもなります。さらにHDデータであれば、3次元データやCAD画像のように、細かく動きのあるデータを共有できるとともに、たとえば生地の質感や物体の微妙な色合いまで伝達することが可能になります」
こうしたUltimateHDが求めるのは、HD対応のカメラやコーデック、そしてディスプレイはもちろん、一端末あたり1Mbps以上の帯域幅であり、帯域制御(QoS)のかかったネットワークも要件とされるのである。そうした高いスペックのUltimateHDソリューションを活用している一つが、同社のビデオ会議システム「Polycom HDX」シリーズだ。
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