ビジネス分野でのLinuxの初期の成功はLAMPスタック(Linux、Apache、MySQL、Python/PHP/Perl)に負うところが大きい。Red HatとDockerは、同じように「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」とDockerコンテナからなる「RHELDoc」スタックを、クラウドとデータセンター時代のLAMPにすることを目指している。
両社はこれを、Dockerを使用した認証済みLinuxコンテナのエコシステムを提供するプログラムで実現しようとしている。これは、先日発表された、RHELとDockerを統合するプログラムである「Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Host」とも密接に関連している。
今回発表された「Red Hat Connect for Technology Partners」プログラムは、パートナー企業が、Dockerコンテナと「Docker Engine」を使用した、認証を受けた信頼できる安全なエンドユーザー向けアプリケーションコンテナを、設計、開発、配布しやすくするもの。これにより、複雑なアプリケーションに組み込める軽量の「マイクロサービス」をパートナー企業が作成するのを支援する。
Red Hatはこの発表の中で、コンテナ化されたアプリケーションには、エンタープライズ水準のサポートとセキュリティ、それにLinuxコンテナの中身が確かに意図されたアプリケーションだという保証が必要になると述べている。
参加パートナーはRed Hatコンテナ開発キット(CDK)を利用できる。この開発キットは、コンテナ化されたDockerアプリケーションの作成を容易にするツールやリソースからなっている。またこのプログラムでは、パートナー企業に文書や知識ベース、フォーラム、認証ツールなども提供される。認証ツールは、コンテナの中身が信頼できる発信元が作成したものであり、コンテナの内容とコンテナ自体が安全で、既知の脆弱性を持たないことを証明するものだ。
またこのコンテナエコシステムプログラムでは、認証済みアプリケーションコンテナの配布プラットフォーム「Red Hat Container Registry 」も提供される。このプラットフォームは、独立系ソフトウェア開発会社が顧客にコンテナを販売する手段を提供するだけでなく、将来的にはパートナー企業や独立系ソフトウェア開発会社が、独自の認証済みコンテナのレジストリをホストすることも可能になる。
エンタープライズ市場向けの戦略を推し進めているCanonicalや、CoreOS、Paralleslsなどの企業は、この動きに対抗していくことになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。