小山安博の戦略
-
XP ModeとMED-VはWindows 7への移行を促す重要なツール
レガシーアプリはセキュリティ面で不安も
仕事柄、常に最新のOSやアプリケーションを使っている。Windowsはベータの段階からWindows 7を使っていたし、今ではMicrosoft Office 2010のベータ版を使っている。昔のアプリケーションは使わないで、必要ならば代替するアプリケーションを探して使うようにしている。
そのため、基本的には「最新のOSで動作しないアプリケーションは使わない」ことにしている。単純にレガシーであることはデメリットばかりではないが、最新のツールの方が機能や利便性、セキュリティなどの面で有利なことも多いからだ。特に。過日のAurora攻撃に使われたのが記憶に新しいInternet Explorer 6のように、攻撃に狙われやすく、サイト表示に問題が残っているようなアプリケーションは使い続けるべきではない、というのが正直なところ。
それでも、Windows 7の一部バージョンに「Windows XP Mode」が用意され、企業向けに「Microsoft Enterprise Desktop Virtualization」(MED-V)が提供されているのは意味がないこととはいえない。
企業の業務アプリケーションがWindows XPでしか動作せず、しかも開発者が退職するなどしてメンテナンスがもうできない、という話はまま聞く。それにもかかわらず、古いアプリケーションを使わざるを得ないのでWindows XPを手放せないという企業は、いまだにあるようだ。
確かにそうした場合にWindows XP Modeは有効だろう。Windows XP Modeにインストールしたアプリケーションは、そのままWindows 7から「仮想アプリケーション」として起動できるので、Windows XPでしか動作しないアプリケーションを簡単に動かせる。
XP ModeとMED-Vは次善の策
世の中にはいまだに大量のWindows 2000マシンが存在し、そのサポート期間が切れようとしている。このままではWindows XPも同じような事態を招きそうだが、Windows XP ModeやMED-Vが、Windows XPからWindows 7への移行を促す重要なツールになりそう。セキュリティレベルの全体的な底上げにもつながってくれるだろう。
とはいえ、Windows XPでしか動作しないアプリケーションは早々に置き換えるべきだと思う。コストなど検討すべき課題があることは踏まえた上で、あくまでWindows XP Modeは次善の策として、アプリケーションの移行を同時に進めていく必要があるだろう。それには、Windows 7以降のOSにも対応するアプリケーションという視点も必要だし、先を見据えた設計が重要になってくる。少なくとも、クラウド全盛のこの時代に、ブラウザのバージョンや解像度など、環境を限定するようなツールの開発は避けるようにしてもらいたい。
小山安博(フリーランスライター)
元PC系ウェブ媒体編集者。その流れでPC、デジカメ、携帯電話、オーディオプレーヤー、セキュリティなどを中心に執筆。基本的に小さいものが好きで、世の中には欲しいものがいっぱい。
ブログ「へなちょこにライティング」も見てね。
-
よく管理されたWindows XP Mode「MED-V」
筆者が勤めるグローバルナレッジネットワーク株式会社の標準OSは未だにWindows XPであるが、Windows VistaおよびWindows 7上での検証は進めている。業務アプリケーションではほとんど問題が起きず、これはパッケージを使っていたおかげであ...(続きを読む)
-
クラウドにレガシーアプリはあるのか?
僕らフィードパスのようなスモールベンチャーにおいても、当然のことながらクライアントコンピュータのほとんどがWindowsを利用している。クライアントコンピュータの調達方式には3年レンタルを利...(続きを読む)
-
Visual Studio開発の課題をXP Modeで解消できる?
アロウズコンサルティングとアロウズテクノロジーズが提供するソリューションの中には、Visual Studio 2003やVisual Studio 2005を用いて開発する案件もあり、IDE(統合...(続きを読む)
-
ウェブ開発最大の障壁「IE6」とXP Mode
私にとっていまでも抱えている最大のレガシーアプリケーションはInternet Explorer 6です。自分で運営しているブログ「Publickey」のデザイン変更やJavaScriptでの機能追加な...(続きを読む)
-
XP ModeとMED-VでベンチャーはR&Dに集中できる
システム全体で見ればWindowsの旧バージョンでのみ動作するようなアプリケーションもあり、その場合はまだ当該サーバーを残した形で運用しています。また、自社でカスタマイズしている業務支援向けのデータベー...(続きを読む)
-
現場レベルではマクロプログラムがレガシー化
職業柄、つねに最新版を追いかけていますから、基本的にレガシーアプリケーションはありません……といいたいところですが、若干量が存在します。利用する機会はめっきり減りましたが、Lotus...(続きを読む)
-
XP ModeとMED-VはWindows 7への移行を促す重要なツール
仕事柄、常に最新のOSやアプリケーションを使っている。Windowsはベータの段階からWindows 7を使っていたし、今ではMicrosoft Office 2010のベータ版を使っている。昔のアプリケーションは使わな...(続きを読む)
-
レガシー化するWindows 2000
幸いなことに、筆者の所属する会社ではレガシーアプリケーションの問題を抱えていない。とはいえ、MED-Vについての報道に触れるたびに考えるのは、顕在化するWindows 2000のサポート切れの問題である。...(続きを読む)
-
レガシーアプリを抱えた企業は非常に多い
ITRは、ユーザー企業のIT部門に対するコンサルティングに力を入れています。そのため、顧客企業のシステム環境を調査する機会が多いのですが...(続きを読む)
こちらでは、読者から寄せられた意見をピックアップして紹介します。
-
今回のテーマでは、識者の方全員の意見が些末な差はあれども大意は同じように思いました。
弊社内のことは置いておくとして、お客様からの問い合わせでもレガシーアプリケーションの当面の延命処置として仮想化に強い関心をもたれています。(仮想化、P2Vとの絡みで。)
クライアントアプリの場合も、仮想化とシンクライアント化の連携が強化する良いきっかけとなるのでは無いかと思っています。
新規開発へ投資するほどの体力はないけど延命処置としての投資なら、苦しいけどなんとかっと言う企業様は時勢がら多いので数年は仮想化がますます使用される局面が多くなると思います。
反面、レガシーから新規開発への決断をますます遅らせる要因ともなってくるとは思います。 -
失業中のため、我が家の個人用システムに伝考える。私は、CP/M BASICの時代からPCを使用している。システムは次々とバージョンアップを積み重ねて発展し、CONFIG.SYSで苦労した事が大昔のように思える。
コ本的な考え方は上位互換性を確保してもらいたいということである。企業のシステムと違い個人用のシステムは単純あり、XP PAC4で略満足できる状態に達していると思う。 Windowsも95からXPまで使い続けているが、win2KでNTと統合し、XPーPAK4で安定化も満足できるまでになったを考えている。
個人ユースに付いてはこれで十分、サポートさえ続けてもらえば文句を言わない状態である。つまりレガシーアプリはそのまま使用しているということである。
マーケットの大きさを考えれば致し方ないと考えるが、WIー7でなく、PAK5として軽さや64ビット対応を実現してもらいたかった。折角十分に枯れた状態になろうとしていたXPであり、軽さの追求などはXPの改善という方向で行い、ユーザーは必要な機能を後で付加できるような形が望ましい。
会社などのシステムでも大幅なソフトの変更が必要になると見積もられる。
私の経験では、かなりのコストがかかると見なければならない。以前に私が現役で職にあったた時には、OSの変更(NT3.51からWINー2K)に伴うアプリケーション、特に開発部分の下位主に開発時に擁した経費と比較して半分い経費を費やした事がある。
個人にとってはレガシーアイテムはパッケージソフトウェアということになる。、PC1台を自作するときに一番高価な部品はOSである事から負担感は大きい。
前置きが長くなったが、開発部分は改造が必要となりかなりの経費をかけてレガシ−プログラムを変更した。オフィスソフトについてはそのまま使用した。
やはりOSは上位互換性を確保した形でバージョンアップを重ねてゆくべきである。
各分野の賢人と、読者の意見が集う6つのテーマ一覧をぜひご覧ください。