マイクロソフトがデータセンター運営に使う「AutoPilot」

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-02-07 11:41

 Microsoftがオンライン広告市場でどう振る舞うかに注目が集まっているが、この記事ではadCenterも含めたMicrosoftのさまざまなLiveサービスのすべてを支えているデータセンターやバックエンドのインフラについて見てみることにする。

 Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は、2月4日にウォール街のアナリストに対し、Microsoftがソフトウェア+サービス(S+S)で前進するには、クラウドインフラが鍵になることを強調した。同氏の2月4日にニューヨークで開かれた「Strategic Update」で、Ballmer氏はアナリストに対し次のように述べた。

 「そして、クラウドプラットフォームに関してはわれわれは多くを投資しており、それ自体は直接的なビジネスモデルを持たないものの、サーバーやデスクトップなどの形で市場に出る。このクラウドプラットフォームを商品化するには、かなり大きな投資を必要とする・・・

 Windowsの未来はどのようなものになり、企業のデスクトップの価値の未来はどのようなものになるだろうか?すべての事業が、1つの一貫したクラウドプラットフォーム上で、このクラウドへの移行によってさらなる収入と利益の獲得機会を得ることになるだろう。」

 ラックに入ったWindows Serverの箱以外にも、多くのコンポーネントがMicrosoftのオンライン資産を支え、動かすために使われている。私のレーダー網にかかった部品の一部を紹介しよう(匿名希望のいろいろな情報筋からの情報に感謝する)。

* AutoPilot:MicrosoftのWindows LiveメッセンジャーとLive Searchサービスの管理システム。MicrosoftはAutoPilotを拡張し、すべてのWindows Liveサービスと、LiveおよびOnlineファミリーの他のものの一部を扱うようにしようとしている。AutoPilotの扱う仕事はネットワーク監視、電源監視、性能監視、分析などだ。これはMicrosoftがデータセンターインフラを展開する上でコモディティハードウェアを使うことを可能にしている。

* Bedrock: Liveの核となる共有情報発信プラットフォーム。

* Shuttle: Liveのフィード管理システム。私はこれが、チーフソフトウェアアーキテクトの1人Ray Ozzie氏のプロジェクトであるFeed Syncとどのように関係するのか(あるいはしないのか)よくわかっていない。

* Fuse:SQLサーバー故障診断システム。

* Cloud DB:Microsoftはこのプロジェクトで同社のバックエンドの構造化データストアの規模を拡張しようとしている。Cloud DBは多くのWindows Liveサービスとアプリケーションのストレージプラットフォームとなる予定だ。このチームは、SQLサーバーをより耐故障性が高く、規模性が高く、可用性の高いものにしようとしている。

 Microsoftの役員は、彼らのデータセンター資産をYahooのものと結合し、ネットワーク効果を最大化するという展望を、MicrosoftのYahooに対する買収提案の主な提案理由の1つとして挙げている。しかし他の人が指摘しているように、Yahooのバックエンドのインフラはーこれは間違いなくMicrosoftのものと同じくらい入り込んでいて複雑なはずだがーLinuxやその他のオープンソースソフトウェアに大きく依存している。

 この2つを結合するのは骨の折れる仕事のように思える。MicrosoftはYahooのデータセンターはLinuxで動かしたままにしておき、同社の競争戦略を研究する手段の1つとして使った方がいいのかも知れない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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