さまざまな情報を受発信してこれまでにない機能を提供するクルマ「コネクテッドカー」への取り組みが本格化している。自動車業界では、CASE(Connected、Autonomous、Shared&Service、Electric)に象徴される革新により、100年に一度というイノベーションが起きようとしている。
従来型の自動車メーカーだけでなく、Googleなどまったくの異業種が市場に参入しようとすることからも、機会の大きさが分かる。「IoT端末」としてクルマをゼロベースで再定義する動きが出てきているのである。
ガートナーは、路上を走るコネクテッドカーは、2020年までに世界で2億5000万台に達すると推定。コネクテッドカーにより、車両管理や走行管理のリアルタイム化が実現する。最近多くなっている痛ましい自動車事故などを防ぐことに役立つ可能性がある。
また、自動車内の空間を情報と娯楽を提供する場とする「車載インフォテイメント」などにも注目が集まっている。
期待が大きい半面で懸念もある。その1つがセキュリティーだ。CASEが主流になると言われているが、その各分野でセキュリティーに関する大きな懸念が残るという。情報を可視化するサイト「Information is Beautiful」のソースコード量を比較する「Million Lines of Code」によれば、Photoshopバージョン1.0でようやく10万行、最新戦闘機のF-35でも2500万行だが、自動車が備えるソフトウェアのコード量は1億行に及ぶ。データ量が膨大なのである。
金額規模の大きい自動車産業に起きているコネクテッドカーの取り組みについて、テクノロジーの視点から情報をまとめた。