予測モデル開発と
ビジネスの知見を活かす
── SASでは、データ分析用の開発言語として独自の言語を長く提供してきたと記憶しています。そのなかで、「SAS Viya」では、「オープンAIプラットフォーム」と銘を打ち、オープンソースソフトウェア(OSS)の開発言語をサポートしました。その理由について、まずはお聞かせください。
SAS Institute Japan
ソリューション統括本部
プラットフォームソリューション統括部
IoT & Advanced Analyticsグループ
グループマネージャー
松園 和久氏
松園氏(以下、敬称略):理由の一つは、さまざまな開発者の方に、「R」や「Python」といった技術スキルをこれまで通り活かしながら、アナリティクスの効用を企業内の多くの人や部署に波及してもらえるようにするためです。これにより、開発者、ビジネスに精通したアナリスト(ビジネスアナリスト)、そして経営者の方が、それぞれのスキルセット、知見を集結し、活かせる環境を実現することにあります。
── それはどういうことですか?
松園:たとえば、データ分析を行うための言語として、OSSの統計解析言語「R」が比較的広く使われていますが、「R」を駆使してデータ分析を行うのは決して簡単なことではなく、少なからず、プログラミング技術を有した人でなければ「R」言語を習得、使いこなすのは困難と言えます。
一方で、経営課題やビジネス課題を解決するために、どういったデータを使用し、どういった切り口で分析すべきか、あるいは、どう可視化すべきかの知見や考えを持っているのは、ビジネスの現場で働く方や経営者の方で、こういった方々は必ずしも「R」言語に精通した予測モデル開発者ではないことが一般的でしょう。
もちろん、昨今のトレンドの中でOSSを駆使してデータ分析ができる方が企業の中に少しずつ現れ始めているのも明らかな事実です。
ただ、順番的に重視すべきは、ビジネス上の課題の解決であり、「R」言語のプログラマーを養成することではないはずです。
こういった現状を鑑み、予測モデルの開発者、ビジネスアナリスト、経営者といった、スキルレベルの異なる方が、自身が持っている特性を活かす。その一方で分析スキルの高い方が持っているナレッジを、企業内で共有、活用できるようする。そして、プログラミングスキルが乏しい人にも、データドリブン型の意思決定を支援するための、AIプラットフォームとして、SAS Viyaは幅広くサポートができると考えます。
すべてをオープンにつなぐ
── SAS Viyaによって、どのようなAIプラットフォームが実現されるのでしょうか。もう少し具体的にお聞かせください。