前米大統領Barack Obama氏によると、企業のリーダーは、人材を一般的な場所にとらわれずに探し出すとともに、適切な人材を引き付けるうえで組織の価値観を強調するべきであり、それによってビジネスでより大きな成功を収められるはずだという。
提供:Jakub Mosur氏
Obama氏はIT業界で働いた経験がないとはいえ、Salesforceの会長兼最高経営責任者(CEO)であるMarc Benioff氏はObama氏の言葉がそのまま同業界でも通用すると述べた。
Obama氏は「われわれが最善の答えを得たのは多くの場合、最も優れた肩書きを有する人や、政権の中枢にいる人からではなく、壁際に立っている人からだった」と述べ、「私はこうしたことに極めて早い時期に気付いた。実際の仕事を手がけているのはそういった人々なのだ」と続けた。
Obama氏によると、本当にパワフルなのは、さまざまな観点やバックグラウンドを持ち合わせた人々がともに協力し合う場合だという。
「誰にも死角がある点に目を向けた場合、多様性が思いやりに端を発するものではないと分かるはずだ。あなたは死角を作り出すべきではない。あなたが現時点で事業運営に携わっており、アフリカ系米国人や、ラテンアメリカ系米国人、アジア系米国人を雇用していないというのであれば、すなわち周囲に多様性がないのであれば、市場を捕捉できておらず、誤解を生んでいることになる」(Obama氏)
「女性を登用しなければどうなるか(中略)彼女たちが実際になし得たことのデータや、業績報告書に記されているその成果、幹部に複数の女性を登用しているS&P企業が他企業よりも優れた実績を残しているのが分かるはずだ」(Obama氏)
「その理由として、女性の方が男性よりも聡明(そうめい)である点を挙げることもできるだろうが、1種類の人材しか登用していない場合、目の行き届かない死角が生み出されるという理由もあるはずだ」(Obama氏)
さらにObama氏は、「はい、その通りです。素晴らしいお考えです。あなたは聡明な方です」としか言わない人々を周囲に配することは、自滅の道へと進みかねない点を早い段階で学んだと述べた。