Microsoftは米国時間3月30日、コンシューマー向けの新しい「Microsoft 365」サブスクリプションサービスを発表した。「Microsoft 365 Personal」と「Microsoft 365 Family」が、「Office 365 Personal」と「Office 365 Home」を置き換えることになる。コンシューマー向けOffice 365のバンドルにいくつかの新機能を追加して、同じ料金プランで提供する。
提供:Microsoft
コンシューマー向けMicrosoft 365のバンドルは、「Microsoft 365 Life」という仮称の下、「Alta」のコードネームで開発が進められていた。Microsoftは、これらのサブスクリプションの開発に2018年から取り組んでおり、筆者の複数の情報筋によると、本来は2019年の年次カンファレンス「Build 2019」で発表する予定だった。
Microsoftによれば、Office 365の加入者は現在、3800万人を上回る。Office 365ユーザーは、ローカルPC向けのデスクトップ版Officeアプリ、クラウドストレージ「OneDrive」に1人当たり1TBの容量、「Skype」通話60分、統合型セキュリティーサービスを利用できる。Microsoft 365 PersonalとMicrosoft 365 Familyのバンドルは、これらのコンシューマー向けOffice 365を進化させたもので、4月21日より新ユーザー向けに提供を開始する。Office 365の既存ユーザーには、これらのいくつかの強化機能を3月30日から展開していく。
Microsoft 365 Personalは1ユーザー当たり月額6.99ドル(約760円)。Familyは月額9.99ドル(約1080円)で最大6ユーザーが利用できる。これらのコンシューマー向けMicrosoft 365の詳細については、同社ウェブサイトで確認できる。Office 365 Personal/Homeの現行ユーザーは、Microsoft 365 Personal/Familyへと自動的に移行する。
Microsoftはすでに、コンシューマー向けMicrosoft 365で提供する新サービスの準備を進めている。そうしたものには「iOS」と「Android」向けの「Family Safety」アプリ、グループチャットプラットフォーム「Microsoft Teams」の消費者向け新機能、家計の支出を追跡する「Money in Excel」などがある。
Family Safetyアプリは、「Windows PC」や「Xbox」、iPhoneやAndroidデバイス全体で、子供のスクリーンタイムを管理できる。今から数カ月以内に提供するプレビュー版は、ユーザー登録を経て、アプリをダウンロード後、すべての機能を無料で利用できる。完成版は、アプリストアで提供する無料版のほか、Microsoft 365 Familyのサブスクリプションが必要な有償版があり、後者は位置通知や運転安全レポートなどのプレミアム機能が利用可能だ。
コンシューマー向けTeamsは、個別に新バージョンやSKU(製品エディション)は用意しない。その代わり、家族やグループが興味を持ちそうな機能を追加して、職場以外で使用したり、仕事と個人のアカウントを容易に切り替えたりできるようにする。新機能のプレビューは、Teamsモバイル版で数カ月以内に提供する。当初は全ユーザーが無料で利用できるようにするが、将来提供するプレミアム機能は、コンシューマー向けMicrosoft 365の加入者だけが利用できる。
Money in Excelは、コンシューマー向けMicrosoft 365の加入者が、銀行やクレジットカードのアカウントExcelとつないで、支出を管理、追跡、分析できるようにするもの。例えば、取引履歴や残高を取り込んで、パーソナライズしたワークブックを作成し、お金の使い方を把握できる。この機能はまず米国で、今後数カ月以内に提供する。
これらのコンシューマー向けMicrosoft 365のバンドルは、法人顧客のためのMicrosoft 365(Microsoft 365 F1、E3、E5)とは異なり、サブスクリプションサービスとして販売しているWindowsのバージョンは含まれない。消費者の多くは、PCにWindowsの新バージョンがあらかじめインストールされているため、これは理にかなっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。