長期戦に備えるテレワーク環境の作り方--通信回線を選ぶ

山本雅史

2020-04-21 06:00

 政府は、4月7日に改正「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づいて新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言を発出した。これにより、企業に対してオフィスに出社する人を8割減らすよう要請している。

 だが、多くの企業でテレワークへの対応を進められているが、なかなかうまくいっていない。LINEで行われた厚生労働省のアンケート(4月1日までの約2400万人の回答分)では、テレワーク実施者は全体の5.6%と非常に低い。

 緊急事態宣言の期限は、ゴールデンウイーク最終日の5月6日までだが、感染状況によっては延長される可能性もある。最も危惧するのは、感染者がやや減少したと緊急事態宣言を終了され、人々が以前の生活に戻して再び感染が拡大し、何度も緊急事態宣言と外出自粛を繰り返すことだ。

 感染症の歴史を見れば、何度も感染拡大の波が押し寄せ、大多数の人間が集団免疫を獲得してようやく収束するといわれている。今後の状況が上述のような展開になるとすれば、今からテレワークを快適にできる環境を作ることが望ましく、従業員と企業のIT管理者が両輪となって取り組むことが重要だ。テレワークを推進するには、「ハンコ文化」の業務フローや経営者の理解、従業員のマネージメントなど多くの課題を伴うが、本稿では従業員がITを活用して、パフォーマンスを落とさず快適にテレワークを行うアイデアを紹介する。

ネットワーク環境を整える

 テレワークでは、会社のノートPCを自宅に持ち帰り、作業で企業のイントラネットに接続したりオンライン会議のためにインターネット接続したりするなど、ネットワーク環境が必須になる。

 自宅に光ファイバーの回線を引き、Wi-Fiルーターなどで接続することがベストだ。自宅で他の家族がテレワークを行う場合でも、光ファイバー回線なら通信帯域も十分でありパフォーマンスに問題はない。だが、光ファイバー回線の新規導入には最短で2~3週間ほどかかり、最近では需要の高まりからエリアによって1カ月以上もかかる場合もある。

 それでも今後は、何度か外出自粛が要請されテレワークになることもあるだろう。とにかく、まずは光ファイバー回線を自宅に導入する手続きはしておく方がいい。幾つかのインターネットプロバイダーは、初年のインターネット通信料(月額)を割引価格で提供している。さらに携帯電話会社では、携帯電話とインターネットの通信量を合わせて割引価格で提供している場合もある。

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