新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るっているなか、多くの企業はパンデミック後を見据えて復旧計画を練り始めている。これによりITプロジェクトの予算が見直され、成長や、エクスペリエンスの向上よりも、コストの低減やアジリティ、レジリエンスを重視するという新たな観点に立った検討がなされていきそうだ。
COVID-19のパンデミックによって失業や、事業の清算、消費者の裁量支出の急減や借入金の急増が大量に発生している。また、企業は業績を立て直そうと慌ただしく与信枠を利用している。
こうした状況はIT予算の削減につながり、IBMやSAPをはじめとするベンダーは契約の延期に直面している。IDCは、複数の業界でIT支出が今後減少に向かっていくと予測しているが、どこまでの減少となるかについては本稿執筆時点でまだ分析中だという。
PwCが最高財務責任者(CFO)を対象に実施した最近の調査では、回答者の半数以上がIT支出により厳しい目を注ぐようになるだろうと答えている。また、設備投資や、一般的な資本的支出、それに続いてワークフォースや運用にまつわる投資も削減の対象として挙げられている。
つまり、ITプロジェクトは商用不動産や、資本支出、労働力、プロセスといった分野でコスト削減が図られそうだということだ。IT支出の取り扱いはどの業界でも同じというわけではない。Constellation Researchの主席アナリストであるRay Wang氏は、業界別のIT支出について予測している。