Gitを利用したDevOps製品を提供しているGitLabは、毎年行っているDevSecOpsに関する調査の結果を発表した(4回目、回答者は21カ国3650人)。調査では、DevOpsの流行が「開発チーム、セキュリティチーム、運用チーム内の職務権限やツールの選択、組織図を大きく変えている」ことが明らかになった。
開発者のほとんどは、DevOpsはソフトウェアのリリースまでにかかる時間の短縮に役立っていると考えている。調査によれば、開発者に83%近くが、DevOpsによってコードを短時間でリリースできていると回答していた。
継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI/CD)も、ビルドとデプロイにかかる時間の短縮に貢献しているようだ。回答者の38%は、DevOpsのプロセスにCI/CDを含めていると答えている。また、CI/CDを実践している回答者の60%近くが、1日に複数回、1日に1回、または数日に1回デプロイしていた。1年前には45%だったことを考えれば、大幅な増加だ。また回答者の29%は、自社のDevOps環境では、テストの自動化を導入していると述べていた。
Ubitechのエンジニアリングリーダーであり、GitLabの中心的なコントリビューターであるGeorge Tsiolis氏は、次のように述べている。
「Ubitechは、この1年間の間に、組織内の複数のチームで、新しいプロジェクトと既存のプロジェクトにCI/CDの手法を導入した。これまでのところ、CI/CDの導入は、テストの適用範囲の全体的な拡大と頻繁なデプロイメントにつながっている。またそれによって、わが社のチームは、アプリケーションをデプロイする前後に潜在的な脆弱性を発見するために必要な、新たな知見を獲得している」
ただしテストは今も大きなボトルネックになっている。回答者の47%は、スケジュールの遅延を引き起こす可能性がもっとも高いのはテスト工程だと答えた。テストの自動化は広まりつつあるが、テストを完全に自動化したと答えた回答者はわずか12%だった。企業の60%が1日に複数回、または1日に1回デプロイしていると回答していた一方で、調査対象の42%以上は、開発ライフサイクルにおけるテストの時期が遅すぎると述べている。
またDevOpsは、開発者と運用担当者の間の境界を曖昧にするのに貢献している。開発者の35%は、アプリの実行環境を自分で定義あるいは整備していると述べており、14%はインフラの問題の監視と対応を自分で行っていると回答した。
DevOpsの導入率も上昇している。企業の25%はDevOpsの導入から3年から5年経っていると回答しており、37%は導入から1~3年だと答えた。