調査

DXとデジタル化の違いを説明できますか?--ドリーム・アーツが実態調査

ZDNET Japan Staff

2021-08-24 14:48

 ドリーム・アーツは8月24日、大企業におけるデジタル変革(DX)/業務のデジタル化の取り組み状況について調査結果を発表した。これよると、DXに取り組んでいる企業は約6割に上る一方で、7割以上がDXとデジタル化の違いを「説明できない」と回答していることが分かった。

 今回の調査は、従業員規模1000人以上の大企業の経営層と役職者を対象に、2021年7月30日~8月2日にかけてインターネットで実施された。有効回答数は1000件。

 まず、自身が働く企業のDXの取り組みについて現状を聞いたところ、59%が全社的または部分的に取り組んでいることが分かった。また、業務のデジタル化への取り組みについては6割以上が取り組んでいると回答しており、DXより進んでいる企業が多いという結果だった。

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 企業におけるDX/業務のデジタル化の取り組みの最重要テーマついては、「デジタル技術を活用したビジネスプロセス改革」と「ペーパーレス化による生産性の向上」が26%、続いて「デジタル技術を活用したビジネスモデル変革」(24%)、「紙とハンコで行っていた承認・申請業務のデジタル化」(20%)だった。

 しかしながら、最も多かった回答は「わからない」(29%)で、会社でDXに取り組んでいることは認識しているものの、具体的な取り組みについては把握していない経営層・役職者が一定程度存在することも明らかになったとしている。

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 「DXとデジタル化の違いについて説明できるか」という問いに対しては、「どちらかというと説明できない」「説明できない、わからない」と回答した人が73%だった。職位別に見ると、「どちらかというと説明できない」「説明できない」と回答した人の割合が役員クラス(取締役以上)は61%、管理職(部長クラス)だと64%と、中間管理職は80%というように、現場に近い人ほど違いを説明できない人の割合が高くなっていることが明らかになった。

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 また、両者の違いを記述形式で説明してもらったところ、「デジタル化は業務の効率化を目指すものに対し、DXは変革を目指すもの」というようにDXとデジタル化を完全に区別して考えている回答や、「DXはデジタル化によるビジネス変革を狙う」「DXの中にデジタル化が含まれる」といった回答のように、デジタル化の延長線上にDXがあり、DXを実現するためにデジタル化は「土台」として必要ととらえている意見も多くあったという。

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 「自社の経営層は『本気でDXが重要だ』と認識していると思うか」との質問に対し、重要だと認識している(「そう思う」「ややそう思う」)との回答は約半数(51%)に上り、一定数の大企業で経営層がDXの重要性を理解していることが分かった。

 ただその一方で、中間管理職と役員クラスとの間で「経営層のDXへの本気度」に対する認識に明確な差が見られ、役員クラスが思っているほど中管理職に「経営層の本気度」は伝わっていない現状が見られた。

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 「経営層からのDX方針が明確に出ているか」という問いに「そう思う」と回答した人の割合は、中間管理職が31%で管理職(44.4%)や役員クラス(51.4%)に比べて低い結果だった。経営層側は方針を出しているつもりでも、職位が下がれば下がるほど伝わっていない傾向が見られるという。

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 既にDXに取り組んでいると回答した人に成果を聞いたところ、成果が出ている(「そう思う」「ややそう思う」)との回答は半数以上(52%)だった。さらに「DXの成果が出ている」と回答した人に自身の会社の状況について聞いたところ、「経営層からのDX方針が明確に出ている」(80%が同意)、「経営層がデジタルの価値をよく理解している」(69%が同意)、「経営層の中にDXの責任者がいる」(65%が同意)と考えている人の割合が高く、DXの成果が出ている企業では共通して、経営層のリーダーシップが発揮されているという特徴があることが分かった。

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 ドリーム・アーツでは、「経営層のリーダーシップ」に同意している人が多かったものの、中間管理職を含めた現場への浸透度は課題があることが示されており、現場への意識共有における改革も必要であることが明らかになった、と分析している。

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