食品スーパー「まいばすけっと」を運営するまいばすけっとは、日立システムズの「設備保全業務特化型コンタクトセンターサービス」を導入し、店舗設備の保全業務を改善した。日立システムズが11月24日に発表した。
同サービスは、日立システムズのコンタクトセンターで受け付けた問い合わせの現場調査依頼、見積送付/承認などの設備修繕に関するやりとりを、クラウド型の「設備保全統合プラットフォーム」を活用してデジタル化する。まいばすけっとの各店舗や本社の開発建設本部、修繕会社間での情報連携を最適化することで、保全業務にまつわる事務工数削減や初動対応までの時間短縮が可能となった。
まいばすけっとは現在、東京と神奈川に970店舗以上を展開しており、2021年度末までに1000店舗、2023年度までに2000店舗を目指している。利用客が安心して買い物できる店舗を維持できるよう、冷蔵庫・冷凍庫、自動ドア、照明、空調といった店内の設備に故障や不具合が発生した際は素早い修繕対応が求められる。
これまでも修繕依頼の受付から修繕会社への手配までを一括で対応可能な日立システムズのコンタクトセンターを利用し、業務の効率化を図ってきた。だが、各店舗や本社の開発建設本部、修繕会社間では電話やファクシミリなどで連絡を取っていため、関係者の情報伝達に多大な工数と時間がかかっていた。特に自然災害が発生した際などは、多くの店舗で同時に修繕が必要になるため、今後さらなる店舗数拡大を見据えるまいばすけっとにとって保全・修繕業務の効率化は大きな課題だった。
日立システムズは、全国8拠点にコンタクトセンターを設置し、24時間体制で顧客の各種業務をサポートしている。大手コンビニエンスストアの設備管理業務の支援に携わり、数千店舗の現場に赴いて課題を解決した知見を生かして、2020年10月から設備保全業務特化型コンタクトセンターサービスを提供している。
同サービスでは、設備保全統合プラットフォームの活用により、修繕作業の進ちょくや見積書などの情報を一元化し、保全業務に関わる業務の可視化・効率化を実現した。例えば、店舗からの修繕依頼時に写真を登録・共有することで、設備の不具合状況を正確かつ迅速に伝えられるようになった。
これまではファクシミリでやりとりをしていた見積書もプラットフォーム上で登録・参照が可能になったことにより、見積書の紛失/未着といったトラブルがなくなり、見積処理にまつわる工数削減や修繕完了までの時間短縮につながった。各店舗や本社の開発建設本部、修繕会社間における情報連携を最適化し、各担当者の業務負荷を軽減したことで、目標期間内での修繕完了達成率が約10%向上した。
設備保全統合プラットフォームを活用した保全業務のデジタル化により、今後さらなる店舗数拡大を図った際も、蓄積された修繕データ分析結果を踏まえて予防保全を推進できる。その結果、修理件数の抑制が見込まれ、さらなる業務負荷軽減が期待される。
同サービスを導入した理由について、まいばすけっと 開発建設本部 建設担当の内田眞悟氏は、全国で多店舗展開している小売業に提供実績があり、システムと設備保全の両方に精通した人材がコンタクトセンターで対応すること、自社だけでなく修繕会社を含めて、情報伝達や見積もり、作業実績管理に活用できるクラウド型の設備保全統合プラットフォームがあること、日立システムズのIT技術による集積データの活用など、サービスの拡張性があることを挙げる。