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「スマートストアの巨人」トライアルを支えるIT戦略--Retail AI・永田社長

大場みのり (編集部)

2021-03-29 07:00

 トライアルカンパニーは、九州地方を中心に250店舗以上のスーパーセンター(食料品や衣料品、住居関連商品を一つのフロアに集めた業態)「トライアル」を展開している。

 同社は店舗内に、セルフレジ機能を搭載した買い物カート「スマートショッピングカート」や、人や棚の動きを検知する「リテールAIカメラ」などを設置。これらのIoT機器で収集されるデータをシステム基盤「MD-Link」経由で約260社のメーカーや卸売業者と共有している。

 近年、店舗におけるIT活用はよく見られるが、トライアルの大きな特徴はIoT機器やシステムをグループ企業のRetail AIが自ら開発している点だ。同社は2018年に設立され、国内に約50人、中国に約300人のエンジニアを擁する。代表取締役社長の永田洋幸氏に、同社の機器に隠された工夫や自社グループを超えた取り組みを聞いた。

Retail AI 代表取締役社長 永田洋幸氏(出典:Retail AI)
Retail AI 代表取締役社長 永田洋幸氏(出典:Retail AI)

 現在の国内小売市場は140兆円規模で、人口減少に伴う市場の縮小やEC(電子商取引)の伸長により、30年後には半分になるとされる。また、市場規模の約3割に相当するコストが最適化されていない「ムダ・ムラ・ムリ」が存在しているという。

 AIの活用について、永田氏は「トライアルの店舗は都会ではなく、人が集まりにくい地方にあります。今の売り上げが良くても、時代の変化に対応しなければ、10~20年後には間違いなく立ちゆかなくなります。そのため、AI化で流通の“ムダ・ムラ・ムリ”を減らすことが大事です。余分なコストを削減すれば、より低価格で商品を提供することにもなります」と語る。

 店舗におけるIoT機器の活用例を紹介する。まず、スマートショッピングカートのセルフレジ機能により、来店客はレジ待ちの手間がなくなり、トライアルは従来より少ないレジの担当者で店舗を運営することができる。

スマートショッピングカートはコロナ前に稼働を開始したが、レジ待ちによる密集や現金の受け渡しを回避でき、「新しい生活様式」にも則しているという(出典:トライアルグループ)
スマートショッピングカートはコロナ前に稼働を開始したが、レジ待ちによる密集や現金の受け渡しを回避でき、「新しい生活様式」にも則しているという(出典:トライアルグループ)

 スマートショッピングカートを用いた買い物の流れは、来店客が専用のプリペイドカードを同カートのバーコードリーダーにスキャンし、会員情報を登録。その後、商品のバーコードをリーダーにスキャンし、カートに入れる。最後に決済ゲートを通ると、レシートが自動で発行される。決済ゲートに付属しているスキャナーでカートのバーコードを読み込むと、購買データがサーバーに転送される仕組みだ。

 同カートは、プリペイドカードに登録されている顧客の属性や購買履歴に基づき、クーポンやレシピの配信、商品のレコメンドも行う。例えば、レタスをカートに入れた顧客に対し、ドレッシングを勧めることなどがある。同カートを導入後、来店頻度は13.8%向上したという。

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