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厳しさを増す事業環境に「連携」で挑む--小田急電鉄、MaaSの取り組み語る

大場みのり (編集部)

2021-02-01 09:00

 小田急電鉄は、「ZDNet Japan Summit 2020~Go to デジタルノーマル Digital as a New Normal 企業変革の未来航海図」において、自社のMaaS(Mobility as a Service)の取り組みについて講演を実施した。同社 経営企画本部 経営戦略部 課長 次世代モビリティチーム 統括リーダーの西村潤也氏が登壇した。

(編集部より:取り組みの情報は講演が収録された2020年9月14日時点のもので、現在はEMotバージョン2.0にアップデートされています)

 同社は1927年に小田急線を開業し、2018年には東北沢~和泉多摩川間の複々線化を完成させた。この約90年間、戦後の高度経済成長期や人口増加の追い風を受けながら、小田急グループは運輸業のほか、百貨店業やストア業、不動産業、レジャー業など多角的な事業を展開して成長してきた(図1参照)。同社は構想約50年の複々線化を完成させ、「新しい小田急」に向けて変革を行う中で、既存のリアルな事業とデジタルな顧客接点の融合が重要だと考え、MaaSの取り組みに至ったという。

図1(出典:小田急電鉄) 図1(出典:小田急電鉄)
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 近年は、生産年齢人口の減少に伴い、鉄道の通勤利用者数の低下やドライバー不足が課題となっている。また、高齢化やライフスタイルの変化による外出率の低下に加え、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛が続いている。

 一方、高齢者の免許返納の動きや若者の自動車保有率の低下から、小田急電鉄は「自家用車ネガティブ層」が今後増加すると見ている。西村氏は「こうした流れを機会と捉えるとともに、『われわれが移動サービスを提供し続けなければ、人々の生活や都市の活動が維持できない』という使命感を持って、このプロジェクトを進めている」と語った。

 同社は2019年10月から、MaaSアプリ「EMot(エモット)」を展開している。主な機能として、「複合経路検索」と「電子チケットの発行」がある。キャッチコピーの「いきかた」には、「行き方」と「生き方」という2つの意味が込められている(図2参照)。

図2(出典:小田急電鉄) 図2(出典:小田急電鉄)
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 西村氏はまず、複合経路検索の機能を説明(図3参照)。例えば新宿から駒沢オリンピック公園へ行く場合、三軒茶屋から目的地までの間はタクシーが提案される。通常の経路検索で表示される移動手段は鉄道/バス/徒歩の組み合わせだが、EMotではタクシーやシェアサイクルなども含めた検索結果が表示される。この機能には、ヴァル研究所の複合経路検索サービス「mixway」が活用されている。

図3(出典:小田急電鉄) 図3(出典:小田急電鉄)
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 そして黄色いバナーをタップすると、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)連携により、タクシー配車アプリ「GO」と「JapanTaxi」それぞれの金額/所要時間/待ち時間が表示される。ユーザーはどちらかを選んでタップすると、そのアプリへ移動することができる。

 EMotの取り組みにおいて同社は、17社と連携している(図4参照)。先に紹介したサービスのほか、飛行機やオンデマンド交通(ユーザーが予約することで運行する地域の公共交通)などの分野でも、複数の企業が参画している。

図4(出典:小田急電鉄) 図4(出典:小田急電鉄)
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 続いて、電子チケットの機能が紹介された(図5参照)。電子チケットには、箱根を周遊できる「デジタル箱根フリーパス」などがある。観光地の周遊チケットは駅や旅行代理店で購入するのが一般的だが、EMotでは時間や場所に関係なく買うことが可能。そして、図の右側にある電車のアニメーションを駅の係員に提示することで、ユーザーは箱根を周遊することができる。

図5(出典:小田急電鉄) 図5(出典:小田急電鉄)
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