Intelは米国時間1月4日、第12世代「Core」プロセッサー「Alder Lake」のモバイル向け製品である「Hシリーズ」の詳細をCES 2022の基調講演で発表し、最上位プロセッサーの性能はAppleの「M1 Max」を上回ると主張した。
提供:Intel
同社が発表したグラフによれば(性能比がパーセンテージで表示されており、目盛線がないため詳細は分かりにくいものの)、電力消費が35W前後の領域では「Core i9-12900HK」の性能がM1 Maxを上回っている。ただし、M1 Maxはもっと低い消費電力(最低で20W前後)でも動作可能であるのに対して、i9-12900HKは最低でも30W前後は必要になる。
またIntelは、「AMD Ryzen 9 5900HX」についても触れており、25W前後の領域ではM1 Maxを性能で上回るが、電力消費を増やしてもそれほど性能が上がらず、電力消費が増えると、M1 MaxにもIntelの第11世代Core i9プロセッサーにも性能が追い越されるとしている。
Intelは、Alder LakeのHシリーズとして、Core i9のプロセッサーを2種類、i7とi5をそれぞれ3種類発表した。いずれも基本消費電力は45Wとなっている。
i9-12900HKとi9-12900Hはいずれも14コア(高性能コア6基+高効率コア8基)で、実行可能なスレッド数は20、L3キャッシュは24MB、最大周波数は5GHz、最大消費電力は115Wとなっており、相違点は搭載する「vPro」の種類だけだ。i9-12900Hには、従来の「vPro」の機能をすべて引き継ぎ、「Chrome OS」にも対応した「vPro Enterprise」が搭載される。一方、i9-12900HKには、中小企業向けのvProのサブセットである「vPro Essentials」が搭載される。また、i9-12900HKはアンロック(オーバークロック)に対応している。
i7-12800Hとi7-12700Hは、ピーク周波数がそれぞれ4.8GHzと4.7GHzと低くなっていること以外はi9と同じ仕様で、12700HにはvPro Essentialsが、12800HにはvPro Enterpriseが搭載される。i7-12650HにはvProは搭載されず、コア数は10(高性能コア6基+高効率コア4基)でスレッド数は16、L3キャッシュは24MBとなっている。
Core i5については、いずれも最大消費電力が95Wで、i5-12600Hとi5-12500Hは12コア(高性能コア4基+高効率コア8基)で実行可能なスレッド数は16、L3キャッシュは18MBで、最大周波数は4.5GHzとなっている。i5-12600HにはvPro Enterpriseが、i5-12500HにはvPro Essentialsが搭載される。
またi5-12450Hは、8コア(高性能コア4基+高効率コア4基)でスレッド数は12、L3キャッシュは12MB、最大周波数は4.4GHzで、vProは搭載されない。
Hシリーズのプロセッサーは、DDR5-4800、DDR4-3200、LPDDR5-5200、LPDDR4x-4267のメモリーに対応しており、2月にはこれらのプロセッサーを搭載したノートPCが発売される予定だ。
Intelは、Hシリーズ以外にも、基本消費電力が28Wの第12世代のPシリーズや、薄型ノートPC向けの基本消費電力が9~15WのUシリーズを、今四半期中に発売することを明らかにした。Pシリーズには、14コア(高性能コア6基+高効率コア8基)の最上位プロセッサーであるCore i7-1280Pから、下は10コア(高性能コア2基+高効率コア8基)のi3-1220Pまで、6種類の幅広い製品がラインアップされている。
またIntelはこの日、デスクトップ用のAlder Lakeプロセッサーも新たに22種類発表している。
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またIntelは、「Project Athena」をvProデスクトップで実現するとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。