AMDのノートPC向け「Ryzen 6000」チップ--処理速度とグラフィックスが向上

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-01-07 11:25

 AMDは米国時間1月4日、ノートPC向け「Ryzen」プロセッサーの最新シリーズである「Ryzen 6000」を発表した。Ryzen 6000は、AMDの「Zen 3+」コアで処理速度の高速化を実現し、全く新しい「RDNA 2」アーキテクチャーベースのオンチップグラフィックスでより高速なグラフィックスを提供する。CESで発表された新しいRyzen 6000チップは、TSMCの6ナノメートルプロセステクノロジーを使用して構築された。

 「AMDはPC業界のイノベーションの最前線に立っており、クリエーターやプロフェッショナル、ゲーマーに比類なき体験を提供している」と同社のクライアントビジネスユニットのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるSaeid Moshkelani氏は声明で述べた。「新しいAMD Ryzen 6000シリーズのプロセッサーは、優秀なバッテリー持続時間を実現する素晴らしい効率性、比類なき統合グラフィックス、最適化されたパフォーマンスをもたらし、AMDの最高のテクノロジーをあらゆるタイプのノートPCユーザーに提供する」

 AMDは2021年のCESで「Ryzen 5000」シリーズを発表した。5000シリーズと比較すると、6000シリーズは、処理速度が最大1.3倍、グラフィックス速度が最大2.1倍向上している。クロック速度は最大5GHzに達する。

 Zen 3+コアのおかげで、Ryzen 6000プロセッサーは電力効率も優れている。前世代のRyzenチップと比較すると、6000シリーズのプロセッサーはビデオ会議で消費される電力を最大30%削減できる。また、AMDによると、1回の充電で最大24時間の映画を再生することが可能だという。

 Ryzen 6000チップは最大8つの高性能コアを備えており、各コアが複数のタスクを同時処理して16スレッドの処理能力を発揮することが可能だ。前世代と比較すると、シングルスレッド性能が最大11%、マルチスレッド性能が最大28%向上している。

 その一方で、6000シリーズのプロセッサーは、RDNA 2アーキテクチャーベースのグラフィックスを統合した最初のモバイルプロセッサーであり、ほとんどのPCゲームをフルHDで快適にプレイできる。

 Ryzen 6000プロセッサーは、統合された「Microsoft Pluton」セキュリティプロセッサーによってWindows 11の高度なセキュリティ機能を完全にサポートする最初のx86プロセッサーでもある。

 AMD Ryzen 6000シリーズのプロセッサーを搭載する最初のノートPC群は、2月より、ASUS、Dell、HPなどのメーカーから発売される予定だ。年間を通して、2022年のRyzenポートフォリオをベースとする消費者向けノートPCと商用ノートPCが200機種以上登場する、とAMDは予想している。

 さらに、AMDとLenovoの提携により、2022年初頭に登場するノートPCで、「AMD Ryzen 6000 PRO」シリーズプロセッサーが採用される予定だ。

 AMDは1月4日、最高級のゲームパフォーマンスを実現する「AMD 3D V-Cache」テクノロジーを搭載した新しい「Ryzen 7 5800X3D」デスクトッププロセッサーも発表した。また、「Zen 4」アーキテクチャーを搭載し、新しい「AMD Socket AM5」を使用する新しい「Ryzen 7000」シリーズCPUのプレビューも公開した。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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