独立行政法人国際協力機構(JICA)と日本マイクロソフトは8月31日、包括連携協定を締結した。両者が9月1日に発表した。JICAの事業データを基に人工知能(AI)などのテクノロジーを活用することで、開発途上国のニーズを捉えた迅速で効果の高い事業の実現を目指すという。
JICA 最高デジタル責任者(CDO)の新井和久氏(左)と日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 デジタルガバメント統括本部長の木村靖氏(右)
JICAはデジタル技術を活用して人々の安全な暮らしと多様な機会・幸せを実現する社会を目指す「DXビジョン」を掲げ、事業・組織・人材の各方面から横断的にデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めている。同機構は多様化、複雑化、広範化する開発途上国の課題に対し、デジタル技術を活用しながら大きなインパクトを生み出すとしている。
日本マイクロソフトは、自社のクラウドサービスを活用した豊富なDXの知見を基に、さまざまなパートナー企業と連携して日本の社会や市場の課題解決につながるよう顧客のDXを支援している。
同協定では、開発途上国/地域の動向や課題、JICAの事業の実施状況や事業効果、事業の実施で蓄積された知見やネットワークなどを可視化する。また、同機構の事業に関わるパートナーやステークホルダーとのリアルタイムな情報共有により相乗効果を向上させるとともに、業務プロセスの合理化により事業開始までの時間を短縮する。
加えて、場所や時間などに制約されない柔軟かつ効率的な働き方に取り組み、役職員などのデジタルスキル/リテラシーの向上を通して、事業のニーズや業務課題に対するデジタル技術の活用を促進する。