2022年の「Connected Student Report」(コネクテッドスチューデントレポート)によると、大学にとって研究成果の達成や学生の大成は、維持しなければならない最大の本質的価値だとされている。また同レポートでは、学生のキャリアに関するガイダンスや、柔軟な学習体制、優れたテクノロジー、デジタル化が進んだITサービスを提供する大学の重要性に焦点が当てられている。
マサチューセッツ大学(UMass)チャン・メディカルスクールの最高情報責任者(CIO)Greg Wolf氏
提供:UMassチャン・メディカルスクール
2023年のデジタル変革を形成する7つのトレンドに関するMuleSoftの最新調査では、利害関係者のニーズが生み出されるスピードに見合った価値の提供という点から見た、最高情報責任者(CIO)とIT部門の重要性の高まりに焦点が当てられている。高度な自動化や、イノベーションのアジリティーを向上させるコンポーザブルアーキテクチャー、ローコード/ノーコードツールの導入、トータルエクスペリエンス(TX)戦略の提唱と展開、データ駆動型意思決定におけるインテリジェンスの向上、サイバーセキュリティの強化はすべて、重要な優先事項だ。また、サステナビリティーはIT投資を後押しし続けるだろう。
筆者は最近、CIOが2023年に念頭に置き、計画しておくべき20のITトレンドに関する記事を執筆した。これらのトレンドは、世界各地の1000人のIT担当シニアリーダーとCIOを対象に実施した調査の結果に基づいている。その中の2つは、従業員と顧客のエクスペリエンスがますます重要になるというものと、テクノロジーによって実現されるエクスペリエンスが成功を左右するというものになっている。また、CIOの5人に4人は、顧客が直接接するテクノロジーや従業員が用いるテクノロジーの強化が、競争力を高める上で非常に重要だと考えている。
2023年以降のITとイノベーションのトレンドについてさらに探りたいと考えた筆者は、マサチューセッツ州ボストンに拠点を置き、優秀なCIOとしての受賞歴もある人物に連絡を取った。この人物は、米国において最も革新的な専門医療科学大学の1つでテクノロジーサービスを提供するという重責を担っている。
この人物、すなわちGreg Wolf氏は、マサチューセッツ大学(UMass)チャン・メディカルスクールのCIOであり、Boston CIO of the Yearの受賞者だ。この賞は8つのカテゴリーに分かれており、Wolf氏は2021年6月18日のオンライン式典でヘルスケア部門のORBIEを受賞した。
Wolf氏は生産性向上サービスや学術的テクノロジー、研究テクノロジー、情報セキュリティ、運用、エンジニアリングの分野で働く200人を超える人々で構成されているチームを監督している。同氏はIT幹部として豊富な経験を有しており、われわれの世界を良くするためのテクノロジーの役割に情熱を持って接している。また同氏はテクノロジーチームを、裏方のサービスプロバイダーという存在から、組織内での革新的なパートナーへと変身させるために、相当のエネルギーを注ぎ込んでいる。