Salesforce傘下のMuleSoftによる最新の調査から、2023年に向けたCXO(経営層)の優先課題は、変化する顧客ニーズへの迅速な対応と、より効率的な成長の促進であることが分かった。
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さらに、持続可能性が新たなトレンドとして浮上している。また、従業員と顧客を中心に据えた、新しい親しみやすい業務モデルの推進も、2023年に重要になる見通しだ。
2023年に、デジタル変革を形作る7つのトレンドとして、以下のようなものがある。
1.企業がより少ないリソースで成果を拡大しようとする中で、自動化への投資が急増する。経済の不確実性が高まっているため、大手企業はこれまで以上に個々のユースケースに限定した自動化を超えて、デジタル変革の加速と効率的な成長の促進に取り組み、混乱にうまく対処しようとする。
2.コンポーザビリティーが変革と機動性を推進するビジネス戦略の中核となる。機動性も、急速に変わる市場ニーズに適応する組織の能力において、主要な要因となる。より多くの企業がコンポーザビリティーを優先し、チームの既存の能力を再利用することで、価値創出までの時間を短縮できる見通しだ。
3.ITに精通していないユーザーはローコードやノーコードの開発ツールと自動化を使い、変革を推進する。ビジネステクノロジストに適切なツールを提供することが、ITのボトルネックを回避し、変革を加速させる鍵となる。これらのツールにより、デジタル機能やデータのドラッグ&ドロップが可能になり、プロセスの自動化と新しいサービスを作成できる。
4.組織は顧客や従業員のロイヤルティーと支持を大幅に高めるため、トータルエクスペリエンス(TX)戦略に投資する。顧客(CX)と従業員(EX)のエクスペリエンス向上の取り組みを一体化することは、収益を増やし、希少な人材を保持し、よりアジャイルで安定したビジネス成果を実現する上で不可欠だ。
5.組織は機会損失による莫大なコストを削減するため、データ主導の意思決定インテリジェンスをさらに自動化する。コンポーザブル戦略の一環として、組織はデータファブリックの構築に一層注意を払い、サイロ化したデータの価値を引き出すことで、不適切または時期を逃した意思決定が引き起こす、ビジネスチャンスの損失を削減しようとするだろう。
6.サイバーセキュリティの防御は、複雑性を増す脅威から守るため、より強化・統合される。組織が引き続き、変革を加速させることに注力する中、分散型アーキテクチャーとエッジ技術への投資が拡大する。それによってセキュリティリスクも増大するため、組織はユニバーサルAPI 管理を基盤とする新しいサイバーセキュリティメッシュのアプローチを通じて、リスクを軽減する必要がある。
7.持続可能性が継続的なIT投資を促進する。組織は、サプライチェーン全体におけるデータ主導の洞察と統合の改善が、ビジネス価値を実現する上で役立つことを、ますます実感するようになる。それは、より効率的で持続可能な働き方が、炭素排出の削減を目指すグローバルな取り組みを支えることになるからだ。
MuleSoftの調査から、2023年にデジタル変革を形成する7つのトレンドに加え、以下の重要なポイントが明らかになった。