人工知能(AI)チャットボット「ChatGPT」への関心が世界的に高まっている昨今、IT意思決定者の半数以上が、ChatGPTを悪用するサイバー攻撃に対して既に警戒感を募らせているという。カナダのBlackBerryが米国とカナダ、英国、オーストラリアのIT意思決定者1500人を対象に1月に実施した調査で明らかになった。
調査では、多くの回答者が一般的にChatGPTの使用目的が「善意」である認識している一方で、74%がサイバーセキュリティに対する潜在的な脅威を懸念していた。51%はChatGPTを用いたサイバー攻撃が今後1年以内に成功するだろうと予想し、71%はChatGPTが既に国家的なサイバー悪事に使われている可能性を指摘している。
想定し得るChatGPTを悪用した具体的な脅威には、53%が「より信ぴょう性が高く本物らしいフィッシングメールの作成」を挙げた。また、「サイバー攻撃の初心者がChatGPTで高度な攻撃スキルを獲得する」「偽の情報拡散にChatGPTが使われる」との予想もそれぞれ49%に上った。
同社は、悪意ある人間たちがChatGPTの試行錯誤を開始しており、高度なマルウェアの開発だろうとサイバー攻撃スキルの向上だろうと、サイバー攻撃への使用について2023年中に飛躍的な“進化”が見られるだろう予想している。