ITILツール導入率は25%だが検討中まで含むと7割に--ITR調査

NO BUDGET

2014-10-16 07:00

 ITRは10月15日、ベンダーへの調査とユーザーアンケート調査を組み合わせた市場調査レポート「ITR Cross View:運用管理市場の実態と展望2014―ユーザー調査と市場調査結果」を発刊し、抜粋の内容を発表した。

 レポートの対象となる市場は、サーバ管理、ネットワーク管理、ジョブ管理、PC資産管理、サービスデスク/インシデント管理、クラウド管理、仮想化構築の全7分野。

 ユーザー調査は9月に実施し、従業員100人以上の国内企業で情報システム系部門に属し、自社の運用管理関連製品の意思決定に関与する個人が対象。ベンダー調査は6月~8月に実施したもので、「ITR Market View:運用管理市場2014」調査レポートからの転載となっている。

リーディング企業は野村総合研究所


ITR DatumiX:サービスデスク/インシデント管理市場(ITR提供)

 サービスデスク機能とインシデント管理の支援を提供するサービスデスク、インシデント管理市場について、ベンダーの製品やサービスに対するユーザーの利用動向とベンダー売り上げ金額シェアから、ベンダーポジショニング「ITR DatumiX」を示したのが上の図。このツールは、問題管理やリリース管理の機能を備える製品も多く、ITIL対応を進める際の検討対象ともなっている。

 「Leading」ベンダーに位置付けられたのは、大企業における大口案件の導入も多く売り上げ金額で高いシェアを占め、また、ユーザー期待値指数でもトップの野村総合研究所。ユーザー期待値指数で2番手につけているServiceNowは、国内では後発で実績も少ないながら、豊富な機能と海外の実績が期待値指数の高さにつながっていると分析している。

7割の企業がITIL対応ツール導入、検討

 ユーザー企業に対しては、ITサービス管理の規格であるITIL対応するためのツールが必要と考えているかどうかを4つの選択肢から回答を得た。ITILを「既に導入している」企業は25.6%と、4社に1社であり現時点の導入率は高くないが、「導入を計画、検討している」との回答が44.5%に上り、合わせて7割の企業が導入済みまたは導入を検討していることがわかるとのこと。

 ITが企業のビジネスを左右する重要な経営資源であり、統制されたマネジメントへの要求が強まっていることの表れだとしている。itSMFジャパンが設立された2003年以来、ITILは国内市場に着実に浸透を続けており、今後も徐々にITILの導入が進むとの予想だ。


国内企業のITIL対応ツールの導入状況(ITR提供)

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