基幹系システムのクラウド化を考える:第2回 NSSOL

ZDNET Japan Staff

2013-04-01 12:00

 本特集「基幹系システムのクラウド化を考える」では、基幹システムのクラウド化に関する顧客動向、自社が提供するサービス、そしてスペックだけでは表現できない強みを各社の担当者に聞いている。

 第2回となる今回は、新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)のサービス「absonne」を取り上げたい。absonneを説明してくれたのは、同社ITインフラソリューション事業本部 ITエンジニアリング事業部 部長 absonne 2.0 グループリーダーの早瀬久雄氏だ。

当初からミッションクリティカルシステムのクラウド化がターゲット

 2007年にサービスを始めたabsonneは、当初からミッションクリティカルシステムのクラウド化をターゲットにしてサービスを展開してきた。サービス提供当初からミッションクリティカルシステムのクラウド化の構築・運用ノウハウの標準化を進めつつ、顧客にサービスを提供してきた。2012年6月にはその集大成とも言えるサービスメニュー「ミッションクリティカル・クラウド」を発表、absonneを大幅に強化した。

 「absonneは、既存システムの保守運用に関わるコスト増に頭を悩ませる企業を対象に、IaaSを提供してTCOを削減するサービスだ」と早瀬氏は言う。続けて「一般的なパブリッククラウドとは異なり、ERPを中心とした基幹系システムを導入できるのが大きな特徴」と強調した。

 「IT予算は7~8割が保守運用に費やされており、新規プロジェクトへの投資は全体の2~3割と言われる。IT部門の狙いは保守運用コストを削減して新規プロジェクトに振り向けることにあるが、全体のコストを下げるのは困難。そのため、クラウドを活用する必要がある。ただし、情報系などの非基幹系システムのクラウド化だけでは、コスト効果が薄いだろう。だからこそ、基幹系と非基幹系システムの両方をクラウド化して、コスト効果を最大化させなければならない」(早瀬氏)

 ミッションクリティカル・クラウドとしてのabsonneは、単にITリソースを提供するに留まらず、エンジニアリングサービスとITマネジメントサービスも提供する。

 エンジニアリングサービスは、NSSOLのノウハウを基にした基盤フレームワークを活用し、短納期で高品質なITインフラを設計・構築するサービス。ITマネジメントサービスは、運用自動化技術をもとにして、効率性と安全性を向上させたITILベースの運用を支援するサービスだ。

 「エンジニアリングや運用をきちんと回せないと、コスト削減効果が出ない。NSSOLは運用と構築を自動化しているため、その両方が可能だ。これからのクラウドにはこうした仕組みがないと、コスト削減効果を期待できないと考えた方がいいだろう」(早瀬氏)

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