富士通は5月14日、2013年度のクラウド事業の売上規模を3000億円に増やす計画を明らかにした。これは2012年度実績である1500億円の2倍にあたる。
クラウドに関する製品やサービスを「FUJITSU Cloud Initiative」として新たに体系化。その第1弾として、IaaSで2種類、PaaSで4種類、クラウドインテグレーションサービスで4種類の新サービスを発表した。
加えて、PaaSで1種類、セキュリティサービス1種類を強化するとともに、クラウドスペシャリストとして100人、クラウドインテグレータで2000人を配備し、クラウドインテグレーション体制を強化する。
執行役員常務の川妻庸男氏
同社の執行役員常務の川妻庸男氏は「イノベーションを支えるのがクラウドであり、クラウドは今後のキーテクノロジとなる。これをベースにして、ビッグデータ活用、モバイル活用、ソーシャル領域がこれからのキーワードになる」と前置きして、以下のように解説した。
「クラウドファーストの時代が到来し、クラウドに対するニーズが広がる一方で、お客様自身が何がベストであるのかを判断することが困難になっている。最適なサービスを選定できない、あるいはお客様自身で開発、運用するのが困難であるといった課題がある。これを解決するためにCloud Initiativeとして、体系を一新する」
クラウド事業本部 事業本部長の岡田昭広氏
同社のクラウド事業本部 事業本部長 岡田昭広氏は「今後、当社のクラウド製品とサービスは、Cloud Initiativeをベースに開発していくことになる。これは、クラウドにおける最適解を追求する継続的な取り組みであり、富士通の特徴であるデバイスから運用まで、垂直統合から水平連携までのクラウドサービスを提供することになる」と語った。
パブリックとプライベートの両方のメリットを活用
IaaSでは、物理サーバからストレージ、ネットワーク環境までのすべてのリソースをユーザー企業専用として提供するパブリッククラウドサービスとして「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5専用サービス」と、ユーザー企業の要件に応じて運用基準やセキュリティポリシー、サービスレベルを個別にカスタマイズできるプライベートクラウドサービス「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted」の2つのサービスを新たに投入した。
Cloud IaaS Trusted Public S5専用サービスは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの双方の特徴を持ち、これまでパブリッククラウドでは利用が難しかった、個人情報を取り扱う行政機関や医療機関、または企業内に閉じたシステムを活用していたユーザー企業も、安心してパブリッククラウドが利用できるようになるという。