富士通は4月23日、ビッグデータの活用を支援するソフトウェア製品を開発し、新たに体系化したことを発表した。ビッグデータ活用の標準技術である分散並列処理や複合イベント処理(CEP)を展開する製品群を「Big Data Platform」、利用場面に応じたビッグデータ活用の製品群を「Big Data Middleware」として順次提供していく。
Big Data Platformには2月から提供している「Interstage Big Data Parallel Processing Server V1」と今回新たに開発した「Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1」を用意する。
Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1は、富士通独自の高速フィルタ技術で、大量のイベントを業務システムのマスタデータと自動的に照合して、必要なイベントを絞り込むCEPソフトウェア。高速フィルタに定義する絞り込みのルールを、業務で使う名称や用語で分かりやすく、かつ少ない記述量で定義できるという。
Big Data Middlewareとしてはエクストリームトランザクション処理ソフトウェア「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」とデータベースソフトウェアの新版になる「Symfoware Server V11」、新たに「Interstage Business Analytics Modeling Server」を用意する。
Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1は、インメモリデータ管理ソフトウェア「Primesoft Server」で実績のある、インメモリ分散キャッシュ技術での高速処理と、最大三重化の冗長構成でデータを保障する信頼性を両立したという。
Symfoware Server V11は、SSDに最適化した並列I/O技術で、大量のデータを従来比10倍で高速に格納できるとしている。高圧縮技術でデータを5分の1に圧縮し、オンライントランザクション処理(OLTP)性能を高めたエクストリームトランザクション処理を支えるという。
Interstage Business Analytics Modeling Serverは機械翻訳技術で日本語を解釈し、さまざまな事象を時系列に関連付けることで、高精度な分析予測を支援するソフトウェア。分散並列処理に対応した30種以上のデータ分析処理部品で、高度な分析予測を高速に展開できるとしている。
製品名 | 税別標準価格 | 出荷時期 | |
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分散並列処理 | Interstage Big Data Parallel Processing Server V1(プロセッサライセンス) | 60万円~ | 5月末 |
複合イベント処理 | Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1(プロセッサライセンス) | 600万円~ | 8月末 |
エクストリームトランザクション | Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1(プロセッサライセンス) | 120万円~ | 5月末 |
Symfoware Server V11(プロセッサライセンス/クライアントライセンス) | 160万円~/50万円~ | 6月末 |
製品名 | 動作OS |
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Interstage Big Data Parallel Processing Server V1 Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1 Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1 | Red Hat Enterprise Linux 5/6 |
Symfoware Server V11 | Red Hat Enterprise Linux 5/6 Solaris 10/11 Microsoft Windows Server 2003/2008 |
今回の製品群では、ソフトウェアをより簡単で安心に使うために最適化するために「スマートセットアップ」「スマートオペレーション」を採用している。スマートセットアップで導入や設定を、スマートオペレーションで統合監視や一括操作などの運用を簡単にできるという。
今回の製品群ではまた、主要なツールに対応したインターフェースを採用。「Informatica PowerCenter」や「Apache Mahout」などと連携できるようになっている。