#10:技術面に明るいCEO
Dana Gardner:わたしは、最高経営責任者(CEO)に課された職責が最高執行責任者(COO)とCIOの2人で担われるようになると考えている。企業運営や市場戦略、IT知識がうまく噛み合った暁には、素晴らしい成果が達成できるようになる。営業畑の人間や創業者がCEOの職責を負う時代は終わり、テクノロジに精通した人々がトップの座に就くようになるべきだ。もちろん、ものを売るということは重要であるものの、現代においてはテクノロジに下支えされた戦略を立てる能力がより重要になっている。何らかの売りものが必要であるとはいえ、製品やサービス自体はテクノロジ抜きに語れなくなってきている。このため、さまざまな企業においてもっと多くの技術者が役員になるべきというわけだ。
#11:必要となる3つのファクタ
Justin James:組織に必要となるのは積極的なIT部門と、ビジョンを持ったリーダーチーム(CEOだけではない)、「さらに」プロセスを否定せず、またプロセスの足を引っ張ることのない進取の気性に富んだ従業員たちである。こういった条件がすべて揃うことは稀だと言える。創業初日からITを活用して利益を上げている新興企業の数よりも、IT部門の変革に成功した既存企業の数が少ないのは、こういった理由もあるためなのだ。
#12:技術的に秀でている者が繁栄していく
Dana Gardner:数多くの企業がIT部門を利益部門へと変貌させることができず、そのせいで厄介な状況に陥り、さらには苦境に立たされているという現実に目を向けてほしい。ITが機能していない企業を変革することはほとんど不可能である。その一方、ITを活用し、技術的に可能なことを業務上のニーズと結びつけられる企業は変革を行ったり、環境の変化に適応することができる。そして彼らは成功の上に成功を築き上げることのできる優秀な人材を雇用し、繁栄への道を確保できるというわけだ。つまりこういったことは、環境に適応した者が生き残るという単純な話ではなく、テクノロジに最も秀でている者が繁栄していくという話なのである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。